100人以上に急拡大する組織をまとめる方法とは div 真子社長(第3話)

卒業生9000人超、満足度98%を誇り、プログラミング教育の市場を牽引するテクノロジースクール「TECH::CAMP」。同サービスを提供する株式会社divの代表取締役・真子就有氏は、成長ベンチャー・じげん社の内定者アルバイト時代に起業を決意。その後、世に出したサービスの2度にわたる事業撤退を乗り越え、今のサービスにたどり着いた波瀾万丈な経歴の持ち主。今回は真子氏に、起業家として重要な素養や、テクノロジースクールの未来などを聞いた。(全5回)

理念に紐づいた事業・行動をし続ける

——先ほどお話しいただいた通り(2話リンク)、様々な事業を経て今のTECH::CAMPに行きつかれたと思いますが、それぞれに共通するビジョンみたいなものは存在していたのでしょうか?

まずは立ち上がる事業をやること。これに集中していたように思います。しかし、自分達のやっていることには、それぞれ事業の形は違えど「何か共通の意義・価値観があるはずだ」とも感じていました。

TECH::CAMPが軌道に乗るようになって、改めて成し遂げたい理想像やこれまでの取組みを考えた時に、ようやく「人に成功体験を積ませて人生を変える」というコンセプトが、自分の達成したい事なのだと明確に言語化できるようになりました。

 

——そこから御社の「人生にサプライズを」という企業理念を作ろうと考えられたのでしょうか?

そうですね。「人生を変える機会を提供したい」というのは、起業当初からの想いとしてありました。divという社名も、分岐点(divergence)、つまり人の人生を変える機会が由来です。その想いを表現できる、一度聞いたら絶対忘れられないキャッチコピーを理念にしたいと考えました。

そうした中で、最もピンときたのが今の理念である「人生にサプライズを」です。理念は正しいことより覚えてもらうこと・伝わることの方が大事だと考えているため、分かりやすさを優先させています。

 

——その理念が御社には社員の皆さんに上手く浸透しているように思います。理念を浸透させるうえでのコツなどはありますでしょうか?

「理念に紐づいた事業・行動をし続けること」が一番なのではないでしょうか。

私自身もよく他人に対してサプライズをします。誕生日のお祝いを盛大に企画したり、お客さんにちょっと喜んでもらえることを考えたり。加えて、「サプライズを生むにはどうしたらいいか」を常に口に出しています。言動一致で理念を体現し続けて、イメージをメンバーの頭に何度も何度も植えつけることが最大の近道だと思います。

ミドルマネジメント層の重要性と育て方

——御社はメンターであるアルバイトや学生の方も多くいらっしゃいます。様々な役職、立場の人々の意識をひとつの方向に揃えるためには、何が重要だとお考えでしょうか?

事業立ち上げ当初、メンバーが数十人だった頃のマネジメントの仕方は、いかにもなワンマンでした。私が「こうやって行こう!」と喝を入れて引っ張っていくような感じです。それでも、インターンの学生もTECH::CAMPのことを好きでいてくれて、社員であるなしに関わらず非常にロイヤリティが高かったです。

しかし、メンバーが100名を超えたあたりからそのやり方では限界があると思い始めました。自分ではなく、自分の代弁者であるミドルマネジメント層を育てなくてはならないと感じるようになりました。そのため、今も試行錯誤の段階ではありますが、どんどん権限を委譲して、ミドルマネジメント層を強化することに力を注いでいます。

ミドルマネジメント層を育てることは人それぞれに個性もあり、非常に難しいのですが、現状至っている共通の解決方法としては、接触頻度を上げて何度も何度も話すこと。徹底的にミドルマネジメントをやっている方に尽くしきること。これしかないと考えています。それができると、ミドルマネージャーの意識や思考が自分とほとんど同じ方向を向くようになり、チームをそれぞれに任せたとしても方向性がぶれることなく、自律的に動ける組織になると思っています。

 

——そのような人材の育成は時間のかかることのように思います。

そうですね。その意味では人を増やすスピードには気をつけております。

まだまだミドルマネージャーが育っていない段階で組織規模を急拡大すると、リーダーとしてまだ未熟な人をリーダーに据えなくてはならない。そうなると、現場の混乱を招いてしまいます。ミドルマネジメントが問題なく動いていることを逐一確認しながら組織拡大を進めていくのが重要だと感じています。

 

——スタートアップだと、なかなか難しいジレンマですよね。早く会社の規模を拡大したいけど、人の成長が追いつかない。

難しいですよね。人が介在する余地の少ないウェブ完結のサービスだったら比較的問題が少ないと思うのですが、「TECH::CAMP」は人の価値がすべての事業です。そういう事業の場合はことさら拡大スピードに気をつけないと、ミドルマネージャーの育成が追いつかないせいで現場が混乱する、というようなことが起こってしまいます。なので、忍耐強く、ジレンマと向き合い続ける必要があると思います。

 

 

>第4話「人工知能には真似できない、教育現場における先生の価値」に続く

>div公式HPはこちら

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筆者 下平 将人

筆者 下平 将人

筆者 下平 将人

法律事務所、LINE株式会社の社内弁護士(リーガルカウンセル)、新規事業開発を経てDIに参画。DIでは、ベンチャー投資、投資先の経営支援に取り組み、投資先企業の社外取締役等を務める。東京弁護士会所属弁護士。Arts and Lawに所属しクリエーターの無料法律相談を担当。チャレンジングな事業領域に挑戦する起業家と汗をかき、共に理想を追い求め続ける存在でありたい。

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