テクノロジー×イノベーションで、人々に感動を。 GA technologies 樋口龍CEO(第2話)

GA technologiesは、不動産業界をテクノロジーの力で改革する『Real Estate Tech』、通称ReTechの分野で、創業わずか4年半で売上100億円規模まで急成長中のベンチャー。中古不動産流通プラットフォーム「Renosy」などを提供している。そんなGA technologies代表取締役社長 樋口 龍氏に、起業家に必要な素養、組織作りなどについて聞いた。(全6話)

まず必要なのは、共感されるビジョン

——樋口さんから見た、起業家に大切な素養を3つお教えください。

起業家にとって大切な素養、とても深いテーマですね。これまでベンチャーナビさんでも錚々たる方がお答えになってきた問いですが、私はこの3つが重要だと思います。

1つめは、「ミッション・ビジョン」。

2つめが、「仲間を集めること」。

3つめが、「決断をすること」。

 

——その3つを選んだ理由をお教えください。

私は個人事業主になりたかったわけではなく、世界的な会社を創りたかったので、世界的な会社を創るとなると1人ではできないですよね。そうなると、2つめに挙げた「仲間を集めること」が必要不可欠になります。

仲間を集めるためには、彼らが共感してくれる要素が必要です。「一緒にスタートアップの会社をしよう」とだけ誘っても、彼らにも人生があり簡単には決断できないですよね。いろんな選択肢がある中でこの会社で人生賭けれるのかと思うわけです。そうなったときに、1番大事なのが会社の存在意義である「ミッション・ビジョン」です。

何のために会社をやりたいのか。この使命感がなければ、人は絶対に集まってきません。仲間になってほしいと説得するには、起業家がしっかりとビジョンを持つことが重要なのです。

 

壮大な理念を掲げる上で、意識すべき「実績」の重要性

——起業したときから、今掲げているようなミッション・ビジョンをお持ちだったのでしょうか?

起業時から変わらず、「テクノロジー×イノベーションで、人々に感動を。」という理念をミッションとして持ち続けています。

起業前に、会社の存在意義については深く考えました。自分の理念、会社の理念を熟考することに半年ほど要しました。考えて書いては消してを繰り返して……、哲学はそんなに簡単に決まるものではないですもんね。

半年かけて、やっと現在の理念にたどり着きましたが、それでも100%だとは思っていません。なぜならば理念は、困難な局面を乗り越えれば乗り越えるほど強くなっていくものだと思っています。

 

——樋口さんにとって理念とはどのようなものなのでしょうか?

正直、日々の業務の中で常に理念を意識しているかといえば、意識はしていません。生き残るために精一杯ということもあるので、意識から外れてしまっているときもあります。

しかし、ビジネスで困難や岐路に立たされたときこそ、「理念って大事だな」と思うんです。つまり、理念は判断に迷ったときの拠りどころだといえると思います。

例えば、判断が難しい選択を迫られたときに、理念がないと判断できなくなってしまう。「そういえば、会社をこうしたかったよな」という理念があれば、落ち着いて考えることができるんです。

理念は社内のメンバーにも浸透させるようにしていますが、丸暗記をする必要はなくて、「判断に迷ったときに、その判断の拠りどころにしてほしい」と伝えています。

 

——理念は掲げるだけでなく、役に立つことが本質ということですね。とはいえ創業時は、目の前のことに手いっぱいで、理念はまだ遠くに位置していますよね。それでも、理念が機能していたのでしょうか?

おっしゃる通り、経営理念である「テクノロジー×イノベーションで、人々に感動を。」を達成して世界のトップ企業になることは、ものすごく果てしない展望です。そんな壮大な理念を機能させるには、日々の実績の重要性をどれだけ経営者が理解しているかが鍵になると思います。

私はライト兄弟が好きなんですが、まだ飛行に成功していなかった当時、彼らは壮大な夢を馬鹿にされていたと思うんです。だって、いきなり翼をつけて飛ぼうとするわけじゃないですか(笑)。でも途中で、「こいつらならやれるかもしれない」と思われるようになる。なぜ周囲の見方が変わったかというと、実績を出していったからに他なりません。

何が言いたいかというと、大きな理念を掲げることはとても大事ですが、それ以上に実績が伴わなければいけないということ。これについて、起業家が理解していることが何よりも重要です。

近年、「大きなことを言う人が減ってきている」と言われていますが、大きなことを言うことが目的ではなくて、言ったあとの実績の方が大事ですよね。そこに責任があるはずですから。

 

負けず嫌いこそが世界と戦う原動力

——樋口さんはプロのサッカー選手を目指していた時も「世界的トッププレイヤーになる」とおっしゃっていたそうですね。

根底にあるのは「負けず嫌い」の精神です。サッカーを小学1年生ではじめたときから、「負けたくない」と思い、練習にのめり込んでいきました。「チームメイトに負けたくない」「東京の選手に負けたくない」「日本の選手に負けたくない」そして、「世界でも負けたくない」と。負けず嫌いから大きなビジョンができていきました。

子どもの頃は、失敗体験がないので、できる・できないでは考えませんよね。自分は世界的なプレイヤーになるものだと思っていました。

1%ぐらいの人達が、大人になっても子どもの感覚のままで、周りから馬鹿にされる逆境にこそ燃えて、ビジョンを掲げて果敢に挑戦していくわけです。そして、単なる馬鹿で終わらせないために、結果を出し続けようと努力する。

私の場合は、起業家として学歴も職歴もいいわけではなかったので、周りの信頼を勝ち取るには事業で実績を出していくしかありませんでした。だから、創業して4年間は社長として広報的な活動をしませんでした。事業を伸ばすこと以外一切無駄なことはしなかったです。

深夜まで働きまくっていたので、周りの経営者と飲みにいくことも一切なかったですね。

実績がない状態で対等にコミュニケーションを取ってもらえるはずがないとわかっていたからです。会社の売上が100億円ぐらいになったら外に出ようと決めていました。

大きなビジョンを掲げることで起こる周りの批判の目を逆に原動力として努力し、実績を出し続ける。小さいころから変わらず私はそうやって物事にチャレンジしてきましたね。

 

 ——ストイックさがひしひしと伝わってきました。普段の生活でもストイックなのでしょうか?(笑)

はい、めちゃくちゃストイックです(笑)。

サッカーをしていたときは、信じられないほどの生活をしていましたね。コーラは飲まない。マックは食べないとか(笑)小学2年生から毎朝6時にマラソンしていたんですよ。4年間サッカーの為にずっと続けていたら、いつの間にかかなり体力がついて、中学1年生のときに東京都品川区の大会の1,500m走で1位になりました。優勝した後、陸上部でもないのに、陸上の都大会に出るように頼まれて、実際に出場したら東京都で3位になったんです。ストイック以外の何物でもないですよね(笑)。高校時代も、ずっと練習をしまくっているタイプでした。

起業家は、誰かに何かをいわれるわけではないのでいくらでもサボれるんです。気をつけないと知らず知らずのうちに視座が下がっていく。自分をいじめて、身体を使って、脳細胞を活性化させています。

私は、どんな天才でもサボるものだと思っています。サボるとわかっているなら、サボる状況にならないために何をすればいいかを考えることが大事。だから、スケジュールの管理によって、サボれない生活を生み出しています。

 

 

>第3話「営業と採用に共通する『人を巻き込む極意』とは」に続く

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筆者 下平 将人

筆者 下平 将人

筆者 下平 将人

法律事務所、LINE株式会社の社内弁護士(リーガルカウンセル)、新規事業開発を経てDIに参画。DIでは、ベンチャー投資、投資先の経営支援に取り組み、投資先企業の社外取締役等を務める。東京弁護士会所属弁護士。Arts and Lawに所属しクリエーターの無料法律相談を担当。チャレンジングな事業領域に挑戦する起業家と汗をかき、共に理想を追い求め続ける存在でありたい。

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