起業家が失敗時に立ち返るべき「シンプルなロジック」とは アライドアーキテクツ 中村壮秀社長(第2話)

失敗ケースにありがちなタイミングのズレ

——創業してからこれまで、どのようなご経験をされてきましたか?

創業当初の事業はいまで言うところのクラウドソーシングで、日本中のウェブデザイナーとブログやウェブサイトの運営者をマッチングするというものでしたが、時代も技術的背景も早すぎました。

その後、ブロガーと企業をマッチングして情報サイトを作るサービスやイベント×SNSのようなサービスのトライアンドエラーを続けましたが、どれも上手く行きませんでした。

アライドアーキテクツはオリジナルに拘りたいという企業風土があり、リリースしても中々ユーザーがつかず想像以上に時間がかかりそうということで頓挫するケースが多々ありました。

今となってみれば似たようなサービスを作り出し上場をしている企業もいます。長期的に見ればニーズがある市場はだったのでしょうが、当時はニーズが少なく失敗に終わりました。このように自分が感じているタイミングと、市場のタイミングのズレを見誤ることで失敗するケースが起業家には多々あるように思います。

信じられるシンプルなロジックを持つ

——その失敗をどのように乗り越えてこられましたか?

過去の失敗を糧にサービスありきだけで考えるのではなく、しっかり市場性と時間を意識して取り組む大切さを学びました。

市場が固まり挑んでいる最中も大変なことは沢山あるので、その過程では「仲間」と「信じられるシンプルなロジックに立ち返ること」で乗り越えてきたように思います。

人はそんなに強くないので、一人ではなかなか逆風と向き合えません。その際には仲間や社員の存在がとにかく支えになります。

社外にも仲間はいます。起業家仲間です。たいていの場合、起業家は資金調達したタイミングが一緒だと同期のような存在になったりします。会社のステージが近いため悩みが似ていて、次第に悩みや失敗を打ち明けられる戦友になっていきましたね。

加えて、逆風に直面した際には必ずこうなると信じられる「シンプルなロジック」を作り上げていくことが重要です。

ビジネスが逆風にさらされた際に、ひとつひとつのビジネス要素を因数分解していって、それぞれの要素を「イエス」と言えるかどうかを検証していくんです。例えばSNSマーケティング市場の場合、「SNSに人が集まっているのだから、いまはお金になっていないかもしれないが、将来的には企業はなんらかの形でお金を投じるようになるだろう」「イエス」といった具合です。

ビジネス全体を見ると「ノー」でも、因数分解した要素だけを見た時に「イエス」と言い切れるロジックを持つこと。辛いときは周りの雑音に惑わされず、そのシンプルなロジックに立ち返るようにしていますね。そして、その信じられるロジックを社員にも共有するようにしています。

——それらを経て、今の事業にたどり着いたのですね?

はい。今のSNSマーケティングを軸とした事業は2007年に着想し、2008年にスタートしました。結局ソーシャルメディアと企業の付き合い方は、煎じ詰めるとコミュニティ性なのではないかという結論にたどり着いたのがきっかけです。

そこで、企業のファンサイトをつくり、そのファンサイトでブロガーさんたちが自由に登録でき、情報を取得するといった、いわゆるコミュニティ型のプラットフォーム事業に舵をきりました。

表層の事業の部分だけを見ると紆余曲折ありましたが、根底にある「SNSは情報流通の主役になる」というシンプルなロジックを信じ続けることが、いまに繋がっているように思います。

 

 

>>3話目「ゼロイチを生み続ける起業家の思考法とは」に続く

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筆者 下平 将人

筆者 下平 将人

筆者 下平 将人

法律事務所、LINE株式会社の社内弁護士(リーガルカウンセル)、新規事業開発を経てDIに参画。DIでは、ベンチャー投資、投資先の経営支援に取り組み、投資先企業の社外取締役等を務める。東京弁護士会所属弁護士。Arts and Lawに所属しクリエーターの無料法律相談を担当。チャレンジングな事業領域に挑戦する起業家と汗をかき、共に理想を追い求め続ける存在でありたい。

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