ゼロイチを生み続ける起業家の思考法とは アライドアーキテクツ 中村社長(第3話)

2018.03.29

「ソーシャルテクノロジーで、世界中の人と企業をつなぐ」をミッションに掲げ2005年から業界に先駆けてSNSの持つ力に着目した事業を展開し、今では国内最大級のSNSマーケティング専業会社にまで成長を遂げたアライドアーキテクツ。同社の代表取締役社長 中村壮秀氏に起業家に欠かせない素養、時流を見極める方法などについて聞いた。(全6話)

失敗しても必ずなにかを「掴む」

——ゼロイチの着想をつくる時、その着想の良し悪しをどうやって判断されていますか。

素養の部分でもお話ししましたが、新しい事業をつくる時には「人には見えないものが見える」という力は非常に重要です。(第1話リンク

そうはいっても、「インターネットは普及する」、「ソーシャルメディアが普及する」という大枠は判断しやすいと思いますが、プロダクトレベルでの着想の良し悪しを判断するのは難しいですよね。

——しかし、御社はさまざまなサービスをゼロイチで成功させてきたという印象があります。

弊社の特徴として、“世界初”とか“史上初”にこだわる傾向があります。ゆえに新しい事業が多いですが、失敗も多いように思います。「パクるよりもオリジナルのほうが格好いい」というエンジニア的な考え方が根底としてあるのです。私がもともと技術者であることや、ソニーの精神に影響を受けているということもあるかもしれませんね。

ですから、弊社の場合「面白い」と思ったら、論ずるより先に小さな投資でプロトタイプを作ってしまいます。しかし、そこで失敗したとしても必ず「何かを掴む」ことが重要です。

——論ずるよりもPDCAを回す中で、成功にたどり着くというイメージでしょうか。

はい。たとえプロトタイプで失敗しても、ヒントを掴んだり、人と出会ったり、ユーザーの動きなどのデータが集まったりする。タダでは失敗せずに、なにかを掴むことを繰り返し続ける。その先に成功があるように感じています。

こうしたトライができるのがベンチャー企業の面白いところです。小回りを活かしてフェイルファーストでチャレンジを繰り返し続ける。諦めずに続けていけば、いつかどこかで当たるということが結構多いと思います。

プロダクトではなく市場から着想することの重要性

——昨今はプロダクトが簡単に作れてしまうので、深い思考をしないまま市場に出して、何も掴めないまま失敗だけしてしまう人も多いようにも思います。

いきなりプロダクトだけで突き進むのは確かに危険ですね。私の場合は、まず「市場」が成長するかどうかを確認して、その後、市場に見合う「組織」をつくり、最後に「プロダクト」をつくるという順序で考えるようにしています。市場だけは、冒頭に話した(1話リンク)ブレることのないシンプルなロジックでしっかり定義するんです。

例えば、ゴルフダイジェスト・オンラインの頃にも、「ゴルフのインターネット化」という市場から着想し、実際のプロダクトはeコマース、ゴルフ場予約、スコア管理システム、ゴルフコミュニティー、ゴルファーブログなど多岐に渡っていきました。

——しっかり狙うべき市場が定義できているから、プロダクトが失敗しても何かを掴んで市場に立ち返ることができる訳ですね。

そうですね。もし、プロダクトが失敗しても、狙っている市場が間違えていなければ、他のプロダクトをつくればうまくいくかもしれません。

「この市場は、絶対来るだろう」という仮説が先にあり、「この市場をどうつくり変えるべきか」という思想が生まれます。そうした思想があると、人が集まって組織ができます。「この市場はこうなるべきだ。それが実現できれば社会に役に立って素晴らしい。だからこれをやろう」と聞いて、この指に止まろうとしてくれるわけです。

なのでまず市場を定義し、それに共感する組織をつくり、最後にプロダクトをつくる。この順序を守れば、たとえプロダクトの部分で多くの失敗を繰り返したとしても成功するまで諦めずに続けることが出来ると思います。

 

 

>アライドアーキテクツ公式HPはこちら

>>第4話「世界に通用するサービスを生む組織の作り方」に続く

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筆者 下平 将人

筆者 下平 将人

法律事務所、LINE株式会社の社内弁護士(リーガルカウンセル)、新規事業開発を経てDIに参画。DIでは、ベンチャー投資、投資先の経営支援に取り組み、投資先企業の社外取締役等を務める。東京弁護士会所属弁護士。Arts and Lawに所属しクリエーターの無料法律相談を担当。チャレンジングな事業領域に挑戦する起業家と汗をかき、共に理想を追い求め続ける存在でありたい。

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