「国内医師の3人に1人が使う」サービスが生まれるまで メドピア 石見社長(第3話)

2018.08.17

「Supporting Doctors, Helping Patients.」をミッションに掲げ、国内医師の3人に1人が参加する医師専用コミュニティサイト「MedPeer」を運営するメドピア株式会社。現役の医師・医学博士でありながら、起業家として上場まで会社を導いた、同社の代表取締役社長 石見陽氏に、起業家として重要な素養や、コミュニティサービス立ち上げのポイントを聞いた。(全6話)

「5,000人を自ら口説いた」

——起業して「0から1」を生み出す際に重要なことは何でしょうか?

ゼロイチの時は「全部やる」意識が重要です。サービスのプロデュースも、資金繰りも、人の採用も。何でもやるだけのパッションがないと人もついてきてくれません。

「全部やる」の例を挙げると、2007年にMedPeerを立ち上げてから、2008年まではひたすら医師に対してビラ配りをしていました。立ち上げ前は、「医師にミクシィみたいなサービスを提供したら一気に会員が増えるだろう」と思っていたのですが、予想に反し、会員は全然増えませんでした。そのため、医師がたくさんいる学会で直接話しかけて、サービスについて説明してまわりました。

結果的に、最初にサービスを使い始めた7,000人の会員のうち、5,000人くらいは直接私が話をして口説きました。医師5,000人と直接話したことのある人はそうはいないはずです。(笑)最初の時点で、サービスに対するいろんな人の見方を吸収できたのは、今のサービスの血肉となっています。

但し、「全部やる」ことで仕事をしている気分になって満足してはダメです。やる以上はスピードを求めなければいけません。 

MedPeerも会員数が7,000人を突破した2009年のタイミングで、日経BP社が保有していたサービスと業務提携し、一気に2.8万人の会員を獲得しました。医師は国内に30万人ほどしかいないので、その時点で全医師の約1割が会員となり、ようやくプラットフォームとしてビジネスの話ができるようになり始めました。

 

事業の成長を加速させる決め手は「市場」

——「全部やる」フェーズから、外部とも上手く連携するフェーズに入られたのですね。

そうですね。とはいえ、医師向けサービスで先行するケアネット社の会員数が約8万人、エムスリー社が約20万人と、まだまだ足りない状況でした。

そのため、日経BP社と提携した後も、学会訪問からダイレクトメールまで、あらゆることをやっています。そうやって7万人までは愚直に会員数を増やし、2015年にメディカルトリビューン社と提携させていただいて会員数10万人を突破しました。

クライアントが受ける印象として会員が二桁万人いるとインパクトが大きく違うため、会員数10万人までは最短で目指してきました。その目標を突破した後は、数というよりも会員をいかにアクティブにできるかに注力してきました。

 

——振り返ってみて「1から100」に事業を成長させるために必要なことは何でしょうか?

やはり市場の「規模」と「成長スピード」は避けて通れないと思います。

私の主戦場である医療業界は課題が山ほどあり、かつIT化が遅れているので、市場ポテンシャルは非常に大きい。さらに参入時期も比較的早かったので、成長するための時間もある。加えて、これは事業立ち上げ後から気づいたことですが、医療業界の他企業とも事業領域が被っておらず、弊社の市場内でのポジショニングも良かった。

そうした市場の要素が重なって、メドピアの事業も急成長していけたと思っています。

 

 

>第4話「コミュニティサービス作りは「まるで子育て」」に続く

>メドピア公式HPはこちら

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筆者 下平 将人

筆者 下平 将人

法律事務所、LINE株式会社の社内弁護士(リーガルカウンセル)、新規事業開発を経てDIに参画。DIでは、ベンチャー投資、投資先の経営支援に取り組み、投資先企業の社外取締役等を務める。東京弁護士会所属弁護士。Arts and Lawに所属しクリエーターの無料法律相談を担当。チャレンジングな事業領域に挑戦する起業家と汗をかき、共に理想を追い求め続ける存在でありたい。

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