どん底を経験して身につけた起業家としての「勇気」 ウェルスナビ 柴山和久CEO(第1話)

サービス開始からわずか2年2ヵ月で預かり資産1,000億円・申込件数13万口座と、国内No.1のロボアドバイザーサービスとして急成長を遂げた「WealthNavi」を運営するウェルスナビ株式会社。同社代表取締役CEOの柴山和久氏に、起業家の素養や、急成長サービスを生み出すためのポイントなどを聞いた。(全6話)

急成長するスタートアップに「ビジョン」が不可欠な理由

――起業家にとって重要な素養を3つ挙げるとすると何でしょうか?

起業家の成功パターンに一般論は無く、正解は一つではありません。それを前提として、私なりに3つ挙げるとすると1つ目が「ビジョン」、2つ目が「勇気」、3つ目が「自分を成長させ続ける力」です。

 

柴山 和久/1977年群馬県生まれ。2000年に東京大学法学部を卒業後、旧大蔵省(現財務省)に入省。ハーバード大学のロースクールで金融取引法等を学び、ニューヨーク州弁護士資格を取得。日英の財務省で合計9年間、予算、税制、金融、国際交渉等に従事。INSEADで金融工学を学んだ後、2010年にマッキンゼー・アンド・カンパニー入社。同社では、ウォール街に本拠を置く機関投資家を1年半サポートし、10兆円規模のリスク管理と資産運用に携わる。2015年、ウェルスナビ株式会社を設立。代表取締役CEOとして、同社を牽引。

 

――まず「ビジョン」が大切な理由についてお聞かせください。

中にはFacebookのマーク・ザッカーバック氏のように、事業が成長してから「ビジョン」が見えてくるパターンもあるかもしれませんが、私の場合は「ビジョン」がまず先にあって、それを実現するための選択肢として起業を選びました。

「ビジョン」が重要だと思う理由として、まず仲間集めと資金調達が挙げられます。

例えば、ウェルスナビは創業半年で総額6億円の資金調達をしていますが、当時はサービスもローンチしていないし、そもそも金融商品取引法上のライセンス許諾も完了していない状況でした。そんな状況下でも、投資家が出資を決めてくれたのは「ビジョン」に共感いただいたからこそです。

 

――事業立ち上げ後も、やはり「ビジョン」は重要となるのでしょうか?

スタートアップは基本的にヒト・カネ・時間といったリソースが足りません。そんな中で急成長を実現するためには、限られたリソースを集中投下し、一貫性を保って成長していくことが重要です。

事業戦略や組織戦略が全て「ビジョン」を基準に作られていれば、あらゆる局面で無駄なく判断することができます。会社全体のベクトルをフォーカスして、最短距離で成長を実現するためには、やはり「ビジョン」は必要不可欠だと思います。

 

「暗闇に向かった跳躍」をする勇気を持つ

――起業家の素養、2つ目の「勇気」に関してはいかがでしょうか?

起業という行為は、「暗闇に向かった跳躍」だと思っています。その先に何があるかわからないけれど、とにかくジャンプしてみるような行為です。

先に何があるか分かっている状態だとすれば、それは大企業が合理的な判断に基づいてやるべき事業ドメインでしょう。そうではなくて、「暗闇に向かった跳躍」だからこそスタートアップの存在価値があるわけです。

そういう状態でジャンプするためには相当な「勇気」が必要ですよね。

 

――柴山さんは元々「勇気」があるタイプだったのでしょうか?

起業前に人生でどん底の状態を経験しているので、あまり怖いものが無いというのはあるかもしれません。

私は留学から帰国後、再就職先が見つからない時期がありました。妻と二人で毎朝スターバックスに通っては、一杯のコーヒーを二人で分け合い、当日割引ができるレシートを持って午後にまた二人で一杯のコーヒーを注文する、という生活。

そうやって自分は世の中から必要とされていないんじゃないかと思い悩む私を横目に、バギーに乗った犬が、マンゴーフラペチーノを食べさせてもらっていたんです。(笑)些細ですが、その瞬間に私は人生でどん底の気分を味わいました。

そんな経験を経ているので、少々の怪我なら怖くないと思える「勇気」が湧いたのかもしれません。

 

 

>第2話「ステージに合わせて、変化し続ける起業家の役割とは」に続く

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著者 堀田 慶介

著者 堀田 慶介

著者 堀田 慶介

早稲田大学理工学部を卒業後、株式会社NTTドコモに入社。 NTTドコモでは、SI事業のプロジェクトリーダーとして、金融・医療業界を中心にソリューション提案/開発業務に従事。その後、法人向けブロードバンドサービスの戦略策定業務を経てDIに出向。DIでは国内ベンチャーへの投資、事業支援に取り組む。

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