企業ロゴ変更に込めた「新常識」開拓への想い マイネット 上原社長(第4話)

インタビュー|2017.06.09

ゲームサービス事業の国内最大級かつパイオニアとして急成長中で、『オンラインサービスの100年企業』を掲げる株式会社マイネット。2015年に東証マザーズ上場を果たし、創業11年目を迎えている代表取締役社長 上原 仁氏に、起業家としての心得やベンチャー組織論について聞いた。(全6話)

最初から事業ではなく「会社」を作った

--最近、ロゴの変更がありましたね。

今回のロゴ変更には大きく3つの想いを込めています。

まず、マイネットにはインターネットを通じた「会いたいときに会いたい人に会える社会」という理念があります。理念の中に使われている「会」の文字の部首である「ひとがしら(𠆢)」、要は人を正三角形で表して、その人が集まって輪になっている。理念をロゴが体現しています。

次に、理念のもう1つ前にあるコンセプト「100年成長する会社」。これを表現するサステイナビリティー(持続可能性)の象徴として円環を採用しています。

そして3つ目は「起業家の土台たること」。

私はもともと起業したのではなく、「起社」したんだと思っています。一般的な起業は「事業を起こす」というのを最初の意志としてやると思うのですが、私は最初から「会社を起こした」んですね。その会社においてやることが起業活動。「会いたいときに会いたい人に会える社会」の方向を向いて、新常識を生み出していくことです。

ベンチャー企業は新常識を作った者しか勝ち続けることはできない

私たちの会社で行われ続ける起業活動は「常識にはないが理にかなう」ものです。

新興領域がまだ資本主義社会に飲み込まれていない時期は、小さき弱き者にも機会があります。けれども、一定の時間が経って領域に対して成功例のパターン認識が進めば進むほど、いかに資本投下、人員投下ができるかで勝負が決するようになります。イノベーションが起きてから5年くらいすると、大資本が勝つ確率は8割を超えると思います。

そんな資本主義社会の中で、起業家・ベンチャーたる者がどう戦うかといったら、大資本が気付いている常識的な物事ではなくて、「常識にはないが理にかなう事業」を切り拓き、5年以内に誰にも追いつけないところまで走り続けなくてはダメなんです。新常識を作らなくてはならないんですよ。

ただし、新常識を作るなんて簡単ではない。その点、わが社の場合「この社会は100年オンライン化し続ける」という前提に完全に賭けています。そのため、「今は常識ではないけれどもオンライン社会になれば理にかなうもの」にフォーカスして新常識の仮説を次々に検証していくことで、常識的に考える大資本には得られない速度で仮説の精度を高めていくことができるのです。

マイネットは創業当初からその姿勢で一貫していて、国内最初のニュースキュレーションサービスであったり、モバイルCRMサービスのフリーミアムモデルという、当時の常識はずれに当たるようなサービスをリリースし成果を収めてきました。今も「(新作)ゲームを作らないゲーム会社」という常識はずれをゲーム業界に打ち込んで、業界トップの成長を実現しています。

新常識を作った者しか生き残れないのがベンチャー企業だ、という前提に立って常に物事を考えています。

豆粒がジャイアント達に勝つための「300人」

現在マイネットは600人の規模になりましたが、600人の会社なんて社会全体からすると「豆粒」なのです。ちなみに300人の会社の時は「米粒」と話していました。笑

「豆粒」の存在が社会のジャイアントに打ち勝っていこうと思ったら、新常識を作らないとダメなのです。そうしないと、絶対に勝つことは実現しない。

創業の時点から「起社」した会社は、新常識を事業として興す「起業家たちの土台」にしたい。マイネットというのは「起業家たちの土台」なのだという根底からの想いがありました。

今はゲームサービス事業という「新常識」を切り拓いて、メンバーも600人規模までもってこれた。ここまで圧倒的No.1かつ、ほぼオンリーワンという状態を作ると、もうさすがに大資本は何ともできません。

私の持論ですが、3階層組織にした時に適正にマネージできる最大値が「300人」だと考えています。そして、どんな大資本のプレーヤーでも3階層組織以上の、例えば4階層組織で新規事業を興すことは出来ない。立ち上げマネージしきれないですからね。つまり、大資本の人たちが超絶なリソースを打ち込んできたとしても、「300人」を超えていて、かつNo.1&オンリーワンであれば、自分たちの領域の経験値と人数で打ち勝てる。

当社の場合も300人を超えたところで、ようやく嶺井(取締役副社長)という”起業家”にマイネットという「土台」を使って次の事業を興すことをやってほしいと話しました(現在、嶺井氏はマイネットのマーケティング戦略事業会社であるネクストマーケティング社の社長を務めている)。

このように、今回のロゴの円環は、新常識を事業として興す「起業家たちの土台」を表しています。まずはゲームサービス事業が新常識として成立した。今後、ロゴにふさわしく新常識がどんどん打ち出されるようなプラットフォームを目指していきます。

--これから新常識となる事業が複数できてようやくロゴに体現された理念が実現される。

当社の中期の経営目標は「メガベンチャー」です。領域No.1の成長事業が複数立ち時価総額が3000億規模になったときが、「メガベンチャー」であると定義しています。領域No.2だったら意味がないのです。

意味がない理由は、先ほどの大資本との戦いの話に戻ります。自ら市場を切り拓いて、新しい常識を証明して、大資本が追いつけないところまで伸び上がることで領域No.1の成長事業を成立させる。それを続けなければ、ベンチャーが生き残ることはない。ひたすら、その考えなんですね。

これまでもメガベンチャー足り得た企業は、その時代の新領域を切り拓いている。今、メガベンチャーになっている企業、例えば楽天さん、サイバーエージェントさんなど、やっぱりみなさん新領域を切り拓いてこられていますよね。その新領域で圧倒的No.1になることを重ねて「メガベンチャー」になっている。

私たちがこれから5年から7年で「メガベンチャー」になっていく上では、領域No.1の成長事業を複数持たなければならない。それを行っていく「土台」がマイネット。中期経営目標というのはこの図式だということで、ロゴに円環を採用しました。

 

>>5話目 「経営トップがライブで意志を伝承し続ける」に続く

>マイネット公式HPはこちら

 

■マイネット上原社長バックナンバー■

第3話 「600名企業の上原流・組織論」

第2話 「たとえ失敗しても事業が変わってもブレない理由」

第1話 「起業家にとって大事な3要素とは?」

著者 岡 俊一郎

著者 岡 俊一郎

DI参画後、国内外の企業・団体に対する戦略策定プロジェクトに従事。「世界の発展に貢献したい」という思いを抱えながら、国内・外のベンチャー企業に対する支援を行っている。 アーティストとスタートアップを巡る資本の動きの類似性・差異について考察するのが目下の趣味。

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