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採用・組織づくりは「総合格闘技」。ナイルが目指す理想の組織とは ナイル 高橋飛翔社長(第5話)

「デジタルマーケティングで社会を良くする事業家集団」を標榜するナイル株式会社。月間利用者数1,000万人を超えるスマホアプリ紹介サービス「Appliv」や、車のサブスクリプションサービス「おトクにマイカー 定額カルモくん」など、多領域に渡り注目サービスを生み出し続けている。そんな同社代表取締役社長 高橋飛翔氏に、起業家にとって重要な素養、成功する事業の創り方などについて聞いた(全6話)

組織づくりは4項目での「総合格闘技」

ーー採用、組織づくりで意識しているポイントをお聞かせください。

組織づくりには大きく「採用」、「オンボード」、「エグジット」、「アフター」の4軸があります。言い換えると、「どれだけいい人に入ってもらうか」、「どれだけパフォーマンスしてもらうか」、「どういう人がどういう理由で辞めるか」、「辞めた後にどれだけ応援者になってくれるか」。

組織づくりはこの4つの項目の「総合格闘技」です。

採用だけ強くてもオンボードが駄目だと組織はうまくいきません。私は組織づくりにおいては、この4つの項目それぞれを分けて考え、全て高めるよう意識しています。

 

ーー採用と組織づくりは表裏一体ということですが、未熟なスタートアップはどこから優先的に着手していくべきでしょうか?

弊社の場合、「優れた組織がないと優秀な人材の採用はできない」という考えのもと、タレントを組織の中で活かす仕組み作りにかなりコストをかけています。

具体的には、組織の中で権限を委譲する仕組みを作っております。

OKR(Objectives and Key Results)という目標管理制度を全社的に適応させ、事業目標に対して全てのチームにOKRを分け与えています。そしてそれぞれのKRを達成するためのHowの部分は、各チームに権限移譲し、任せるというコミュニケーションをしているのです。

なので各チームのマネージャーがどのような権限を持っているかは全社員にクリアになっていますし、経営陣は各チームのHowに対して口を出すのではなく、サポートに徹する風土が根付いています。

このように権限と責任をセットで移譲できる仕組みを組織内に作りあげることで、「この権限と責任が新しいポジションとして必要だ」「この目標達成を任せる人をこの権限で採用しよう」「これができるなら年収はいくらであるべき」という採用の話もスムーズにできるようになります。

この内容をまるっと求人票として置き換えることで、よりチャレンジングな仕事を求める優秀な人材が来やすくなります。魅力的な求人票が自然と書けるような仕組みを作ることが、組織面で意識していることです。

 

採用プロセスには一切妥協を許さない

ーー採用プロセスではどのようなことに気をつけていらっしゃいますか?

弊社は採用プロセスが非常に長いです。面接が3回、性格診断テスト、入社した場合にやるであろう仕事を筆記テスト化したワークテストを60分。この全ての結果を採用担当者が全役員が参加する採用委員会で議題にかけ、合否を判断しています。

採用委員会では、応募者の6ヶ月後、12ヶ月後、24ヶ月後の期待値に対し、正当な報酬を支払う価値があるということを役員全員に説明しなければいけません。その上で役員が「その評価は甘い」「もっと目標をあげられる」といった議論をするのです。

このプロセスを経ているので、もし採用ミスがあった場合でも全員が納得できます。逆にうまくいった時には、「こういう理由で給与を上げるべき」という議論もスムーズにできます。

求職者にとっても、人生に数回しかない大切な意思決定局面において、これだけしっかり自分のことを見てくれる会社のほうが納得感があるでしょう。

おかげさまで、2020年に入ってから当社の採用プロセスでオファーを出した方の80%が入社を決めてくれています。組織づくりと採用プロセスが、しっかりワークしている証左だと感じています。

 

ーー高橋さん自身もブログなどでビジョンや組織について発信されています。これも組織づくりを目的とされているのでしょうか?

節目節目のタイミングでは必ず発信していくように心がけていて、その最大の目的は採用です。

スタートアップにジョインするような人材が、会社の選定軸として必ず挙げるのが社長という軸です。発信してない社長と発信している社長とでは、会社への共感度合いに大きく差が開いてくるのです。

なので、ブログなどを書くときには将来ナイルに入ってくれる人のことを考えて発信しています。

採用面接に来る方は「ナイル 社長」などと検索してくれるわけなので、ブログの更新性が高い必要性はありません。少なくてもいいから、1本1本魂の入った記事を書くように意識しています。

 

ーー非常に組織・採用ともにうまくいっているようにお見受けしますが、これまでに失敗談などがあればお聞かせください。

これはスタートアップあるあるですが、組織を急拡大しようとしたときに採用プロセスを妥協してしまったことがあります。

ビジネス目標をこのタイミングまでに達成しなきゃいけないという想いが先行しすぎて、採用基準が緩くなり、本来採用すべきでない人を採用してしまいました。これが1年から2年かけてナイルの組織を蝕んだことがあります。

それ以降は事業目標の達成がどんなに苦しくても、採用プロセスだけは絶対妥協をしないと決めました。組織づくりという「総合格闘技」に、これからも妥協なく戦い続けたいと思っています。

 

 

>第6話「社会に根付く仕組みを作り、人々を幸せにする ナイル 高橋飛翔社長」に続く(9月上旬公開予定)

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著者 伊藤紀行

著者 伊藤紀行

著者 伊藤紀行

早稲田大学政治経済学部卒業、グロービス経営大学院経営学修士課程(MBA, 英語)修了。楽天に勤務後、EdTechベンチャーの東京オフィス立ち上げに参画。法人向け事業の急成長に貢献。その後グロービスにて英語MBAプログラム Japan Accountのリーダーとして、個人向けマーケティングと事業開発を担当。現在DIでは国内のスタートアップへの投資・上場支援を行い、志高い起業家への経営支援を通じて日本経済の活性化に取り組む。週末を中心にビジネススクールで思考領域の講師も務める。

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