業界最大級の”買取価格比較サイト”を展開する24歳社長が語る「起業家に必要な3要素」 ジラフ麻生社長(第3話)

インタビュー|2017.07.14

月間120万人が利用する買取価格比較サイト「ヒカカク!」を始めとしたサービスで急成長中のジラフ。学生起業家として同社を立ち上げた麻生輝明氏と、創業初期からCOOとして支えてきた柴田雅人氏に創業初期からこれまでを振り返っていただき、若手起業家ならではのベンチャー論を語っていただく。(全3話)

経営とは「手元にある機会」をどれだけ最大化できるか極めること

――起業家として大事な3要素を挙げるとすれば、何でしょうか?

(麻生)そうですね、最初に2つ挙げるなら

・ROI(Return On Investment:投資収益率)意識

・仲間の獲得

でしょうか。

麻生輝明 Teruaki Aso/1992年生まれ。2014年、一橋大学在学中に株式会社ジラフを創業。売却プラットフォームサービスである「ヒカカク!」のプロダクトマネージャーを務める。累計約2億円の資金調達に成功しており、TLM、ドリームインキュベータ、エンジェル投資家などから出資を受ける。2017年3月にはポケラボ(2012年にグリーに138億円で売却)創業者の佐々木氏が経営チームに参画。社員数は40名(17年6月現在)

1つ目の「ROI意識」ついてですが、創業期はお金がいきなり入ってくるわけではないので、コストをいかに切り詰めることができるかがキモになってきます。突き詰めると、大事なことには時間やお金、人などを投入し、無駄な事は削るという意識が強くなりました。「何かを削るから何かが強化できる」という等価交換の考え方が根底にあると思います。

コストカットは地道に出来る事だったりするので、どれだけ減らせるか、減らした分をどこに活用できるのか、そういう思考は創業初期から心がけています。「ヒカカク!」自体も自分の持っている資産を一番高く買ってくれるお店ってどこだろうという疑問やこだわりが原点になっているので、そういった「ROI意識」は私の行動として一貫していると思います。

(柴田)「ROI意識」に関連するのですが、人を採用する際に、その人の能力を一番引き出せる仕事や環境は何だろうと考え抜くのは麻生の特長だと思います。「ROI意識」という意味では、入社してくれた人が一番パフォーマンスを発揮できることがベストという考え方になるので、どんな仕事を担当してもらえば最大限の力を発揮してもらえるのか、エンジニアからアルバイトに至るまで慎重に検討していくタイプだと思います。

柴田雅人 Masato Shibata/1991年生まれ(写真右)。小学生時代をボストンで過ごし、早稲田大学国際教養学部卒業後、グリーに入社し投資管理業務に携わる。その後ジラフにCOOとして参画、創業初期から会社登記、労務管理、資金調達、投資契約などの実務全般を統括しており、社長の女房役としてジラフを支える。

――参画してくれた方のパフォーマンス向上化を考える = 「ROI意識」という考え方は初めて聞きました。お金以外の部分でも資源の価値を最大化する姿勢が一貫されているのですね。

(麻生)「ROI意識」が結果的に、起業家として大事な2つめの要素「仲間の獲得」に繋がっています。創業以来、たった1人の優秀な人の入社で会社が大きく変わっていくのを目の当たりにしているので、採用には社長である私がかなりのリソースを投下して頑張っています。

採用はタイミングと粘り強く接点を持ち続けることがポイントで、「あの人は1年前に会社を辞めようかと考えていたから、そろそろ声を掛けるか」というアンテナを張ることは欠かさずやっています。突き詰めていくと、採用・育成がしっかりできれば、強い組織が出来上がり、究極的には社長自身が手を下さなくても成長する企業になる側面があるような気がしています。

採用が上手くいっていない場合の極端な話をすると、エンジニア出身の社長がコードを書いてしまって、社員に技術が伝播しないために組織が広がらず、シードステージから抜け出せないという例もあります。やはり採用・育成は経営者が一番力を入れるべきことだと思っています。

優秀な人が入社してくれるかは、社内の人材レベルに懸かっている

――採用において、会う人を増やすという接点の話以外に、会社として意識していることはありますか?

(麻生)結局、優秀な人が当たり前に応募してくる会社の空気感をどう作るかだと思っています。例えば 「Google で働く人は優秀な人」という認知・ブランドができているからこそ、Googleには優秀な人達が一定数応募するという良い循環ができているのだと思います。

この循環を掘り下げると、社内にいる優秀なメンバーが優秀な応募者を惹きつけるという構造になっているので、鶏か卵かという話ではあるものの、メンバーの採用レベルは妥協せず、優秀な人を取り続けることが重要になっていきます。

また、人が応募しやすくなる仕組みとして、仕事内容を透明化することにも取り組んでいます。応募した人が「パフォーマンスが出しやすいものは何か」、「やりたいことは何か」、ジラフではそれに対応する「どのような仕事があるか」。これらを明確化していくコミュニケーションが地道ながらも最終的には大事だと思います。

――実際拝見していて、他の若手ベンチャーに比べて中途の人が抵抗感なく入りやすい社風なのかなと感じています。

(麻生)若いメンバー中心の会社ではあるものの、堅実にユーザー集客・収益化できているベンチャー企業は珍しいので、中途の方にとっても安心して入社できるというのはポイントですね。

営業部門トップに就いているのは経営経験のある元大手商社マンですし、外資コンサルティングファームからも2名入社、直近ではCFOとして外資系投資銀行のIBD出身者が参画しました。

よく「前職の業界は採用の際、関係あるのか」を聞かれますが、今働いているメンバーも多種多様な業界から入社しており、そこまで強い関係はないです。どちらかといえば、「リユース業界のネット化」という面白さを伝えられる場として面接を設定しており、共感して頂いた人が入社に繋がっている印象を受けます。

(写真左から麻生社長、DI中山、柴田COO。社名の「ジラフ」ぬいぐるみを手に。)

周りの「できないだろう」という予想を裏切り続ける

(麻生)最後に、大事な要素の3つ目は「負けず嫌い」であることだと思います

――「負けず嫌い」を掘り下げると、具体的にどんなことでしょうか?

(麻生)起業家の新しいアイデアは、「実現性があるのか」「商習慣に合ってない」と当初から反対されることがどうしても多いものです。自分のアイデアや仮説が正しいことを証明するには、最終的に事業で結果を出すしかないと思っていて。

頭ごなしに否定されたときに「絶対に実現させてやる」と思うような負けず嫌いな性格でないと、途中で心が折れてしまうと思います。実際始めてみると、予想もしなかった障害がありますから。「どうせすぐ辞めるだろう」「出来るわけがない」と言われた際に、その「できないだろう」という周りの予想を裏切り続ける意志こそが起業家として大事だと思います。

資金調達のエピソード第2話リンクでお話したように、投資家候補から「もっと目立つ事業をやろうよ」などと言われた中で、それに対する反発から、自分のサービスに全力投球して、結果を出していったことが今のジラフに繋がっている気がします。

――ありがとうございました。最後に読者の方へメッセージをお願いします。

(麻生)ジラフは今年4期目に突入し、組織や事業の規模が大きく変化している真っ只中です。当然、出来上がった組織で働くよりも成長過程を見る機会に恵まれると思います。

職業人生の中で、組織・事業がどういったプロセスで成長していくのか間近で見れる機会はそう多くないと思いますし、弊社のようなフェーズのベンチャーに入社することは人生スパンにおいて大きな財産になります。その中でも、明るい雰囲気でそういった体験ができるのは、ジラフならではの良さですね。

なるべく早く挑戦したほうが長期的にはリスクが小さくなりますから、起業やベンチャー企業への入社といった挑戦に早すぎることは無いと思います。

 

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■ジラフ麻生社長バックナンバー■

第1話 「24歳で業界最大級の”買取価格比較サイト”を展開できた理由」

第2話 「20代経営者が語る資金調達のリアル」

インタビュアー 中山航介

インタビュアー 中山航介

16年に新卒でDIに参画。主に国内・海外(インド)ベンチャーへの投資検討・事業支援を担当。学生時代に麻生社長率いる創業期のジラフ社にインターンとして参画していた経緯で、DIからジラフ社への投資を担当。

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