日本の産業を海外に伝えたい アライドアーキテクツ 中村壮秀社長(第5話)

「ソーシャルテクノロジーで、世界中の人と企業をつなぐ」をミッションに掲げ2005年から業界に先駆けてSNSの持つ力に着目した事業を展開し、今では国内最大級のSNSマーケティング専業会社にまで成長を遂げたアライドアーキテクツ。同社の代表取締役社長 中村壮秀氏に起業家に欠かせない素養、時流を見極める方法などについて聞いた。(全6話)
中国市場への一歩
——御社は日本企業の海外進出も積極的に支援なされていますね。
特にこの2年くらい中国に向けたSNSマーケティングの事業に力を入れています。中国はここ数年でスマホ・SNSの普及、経済成長が同時に起き、10億人以上の消費意欲旺盛な人々が繋がるエキサイティングな市場になりました。
弊社はIMS社というWeibo資本のSNSマーケティング専門会社と2016年4月に日本ではじめて正規販売代理契約を結び、「中国現地で影響力のあるWeibo公式インフルエンサー約80万人」を活用して動画を配信できるプラットフォームを日本企業に展開しています。
更にIMS社とは、日中のインフルエンサーの育成とプロモーション活用を支援する会社も設立しました。
このようにパートナーシップを強化することで、日本企業が中国で成功するための事業を進めています。
——中国展開のきっかけは何だったのでしょうか?
インバウンド消費の拡大や「越境EC」への関心の高まりをひしひしと感じ取り、中国独自のインターネット文化や規制の状況を見ながら、何が最適なサービスなのか検討を重ねていました。
ちょうどその時、私も懇意にして頂いている会社さんで、IMS社に投資している日本の投資会社さんからご紹介頂いたのが、中国に本格展開するきっかけになりました。逆にIMS社社長にも何故アライドアーキテクツを選んだのか?という質問をしたことがあります。彼の答えは「一つは社長自らがすぐに現地に来た勢い、二つ目は交渉におけるキャッチボールのスピードが自分と合ったこと、最後は信頼できる紹介者からの紹介だからだ。」と言われました。
前の二つに関して「お前は中国人みたいだな」と言われましたが、僕からは「日本人とか中国人ではなくて、起業家などはこんなものだろう」と返して笑ったのを憶えています。
この数年中国のCEO達と付き合ってきて、最後の「信頼できる紹介者」というのがやはり一番重要なんだろうと思っています。「信頼した人の友人は信頼する」中国の人たちはここを重要視している気がしています。それが成立していれば短時間に事が有利に進みますが、逆もしかりなんだろうと考えると緊張感もありますね。
——実際に中国の市場をどのように感じられていますか?
今後日本の企業が越境ECでもインバウンドでも海外の人々から売上を上げることはとても重要かつ成長するマーケットですが、その中でも最も企業のニーズがあり、挑戦しがいのある大きなマーケットが中国です。 市場の大きさを感じた話といえば過去に東京で日中のインフルエンサーが交流するイベント「Internet Celebrity Summit 2016」を主催したことがありましたが、その際に出会った大学生が、インフルエンサーをはじめて1年で1億円の収入を得たと聞き、中国のプロモーション業界のレバレッジのかかり方は日本とは桁が違うな、と感じましたね。
これまでご説明したように微博(Weibo)系のIMS社とのサービス展開も面白いですし、中国最大のWeChatを擁するテンセント社との連携もしています。中国のみならず今後、日本企業と世界のユーザーをSNSマーケティングで繋ぐことが出来れば今後大きな広がりがあるなとワクワクしています。
※「Internet Celebrity Summit 2016」の風景
>アライドアーキテクツ公式HPはこちら
>>第6話「数百年に一度の大変革期に、新しい世界をつくる」に続く
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