大企業との提携に重要な「ビジョンの共有」 ウェルスナビ 柴山和久CEO(第4話)

ゼロイチのフェーズで仲間を集めるポイント

――起業家が仲間を集める際に重要なポイントをお聞かせください。

1つ目は会社としての「旗を掲げる」ということです。

ウェルスナビの場合、シードラウンドの資金調達のニュースが日経新聞に掲載されたおかげで、創業メンバーが集まりました。資金調達をすること自体が事業としての強い意思表示となります。

2つ目はプロトタイプでいいから「サービスが動いている」こと。「0」の状態と「0.1」の状態では、周囲の反応が全く違います。

私は非エンジニアの起業家なので、当初は紙の資料を持って色んなエンジニアの方にプレゼンして回っていたのですが、とある方に「『スーツ』は『エンジニア』の敵です。今の柴山さんを手伝おうと思うエンジニアはいませんよ。」と言われてしまいました。

そこから私は気持ちを切り替え、先ほどもお話ししましたが、TECH::CAMPでゼロからプログラミングを学び、プロトタイプを作りました。(第2話リンク)そうすると、周囲の反応が一気に変わったのです。エンジニアの人からすると、少しでもサービスが動いていると「自分だったらこう改善できる」といった意欲が湧きますよね。ですので、「サービスが動いている」状態を早く作り上げることが仲間集めの近道だと思います。

 

――採用で人を見極める際に重要視しているポイントはありますか?

我々の「ビジョン」「バリュー」に共感しているかを基準にしています。

会社が大切にしている「ビジョン」「バリュー」と、働く個々人の価値観が合致していないと、入社後にお互い不幸になってしまいます。そのため、スキルなどよりも「ビジョン」「バリュー」を基準に採用するようにしています。

 

スタートアップの提携パートナーとの向き合い方

――御社は多数の大企業と提携されています。スタートアップが有効なパートナーシップを展開するために重要なポイントは何でしょうか?

これも採用と同じで、「ビジョン」を共有できる会社と提携することが大切です。根幹の部分がずれていると、提携後にお互い不幸になってしまいます。

さらに言うと、大企業と提携する上では、スタートアップ側が「ビジョン」を明確に打ち出すことが重要です。そうすることで、大企業側の方々が、自分たちにこのスタートアップがフィットするか判断しやすくなるからです。

 

――なるほど。スタートアップ側が明確に意思表示をすることでフィルタリングされるわけですね。

私自身、「提携するからには成功させる」と強く思っています。

提携というのはスタートアップにとってはリソースをかなり消費する行為です。なので自らの身の丈以上に、名ばかりの提携を広げ過ぎるのはとても危険だと考えています。

「ビジョン」を共有できる会社に絞って提携すること。提携したからには成功させて満足してもらうこと。スタートアップが提携パートナーと向き合う際には、その二つが重要だと思います。

 

 

>第5話「開始2年で国内No.1サービスを作りあげた原動力とは」に続く

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DIMENSION 編集長

DIMENSION 編集長

「人・事業・組織に向き合い、まっすぐな志が報われる社会を創る」をミッションに、真摯に経営に向き合う起業家に創業期から出資し、事業拡大・上場を支援する国内ベンチャーキャピタル。

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