「遺伝子解析サービス」で世界の課題を解決する ジーンクエスト 高橋祥子社長(第4話)

「未来のための遺伝子解析を」を掲げ、日本最初の個人向け大規模遺伝子解析サービスを提供する株式会社ジーンクエスト。日本人の遺伝情報に特化した研究情報をもとに信頼性の高いデータを提供している。同社代表取締役の高橋祥子氏に、起業家にとって重要な素養、遺伝子解析の未来などについて聞いた。(全4話)

「感情の共有」で価値を広げる

――学生時代に起業されて、一番苦労されたことをお聞かせください。

私は就職もしたことがないまま起業したので、一番苦労したのが自分と世間の遺伝子に対する認識ギャップでした。最近でこそ遺伝子解析が病気リスクの認識に使えると知る人が増えましたが、起業した当時は全然知られていなかったのです。

「そもそも遺伝子って何?」「遺伝子解析する意味は?」といった、研究者の私からすれば基本中の基本のことが、一般の方はわからない。わからないゆえに「なんだか怖い」と批判を受けたり、サービスが思うように広がっていかない、という困難がありました。

社会にとって良いことをやろうと起業したのに、なぜわかってくれないんだろう、と思うことは何度もありました。

 

――そのような困難をどのように乗り越えていかれたのでしょうか?

2003年にヒトゲノムが解読されたので、それよりも前に教育を終えられている方は「知らなくて当然」。むしろ問題だったのは、私が世間に対し「遺伝子を理解してる、興味がある」という期待値を押し付けていたことでした。

「なぜわかってくれないんだろう」と思うこと自体が私の押し付けである、と気づいてからは、情報の発信方法も変えるようにしました。

例えばセミナーやメディアでお話しする際も、昔の私は「事実」、例えば「遺伝子解析は大切です」といった内容を淡々と話していました。でもそれでは、そもそも興味の無い人の感情は動きません。

大切なのは事実を伝えるだけではなく「感情の共有」をすること。例えば「遺伝子解析をすることで、皆さんの生活はこう変わるかもしれないんです」といったことを熱意を持って伝える。そうすると、徐々に興味を持ってくださる人が増えてきました。

相手を理解した上で、その人の「感情が動く」ために、自分の感情をどう伝えればいいか。この「感情の共有」の意識によって、徐々に困難を乗り越えることができたと思っています。

 

「遺伝子解析」で世界の課題を解決する

――「遺伝子解析」の社会に対するインパクトは、これからもますます広がっていきそうですね。

アメリカだと遺伝子解析はかなり普及しており、何千万人もの方が解析サービスを受けています。一方で日本はまだそこまで普及していません。

これには様々な理由がありますが、大前提として遺伝子研究に投じられている研究費がアメリカの方が圧倒的に多いことが挙げられます。研究が進んでいるからこそ、実証されている効能も多く、解析サービスを受ける人が増えるという好循環が生まれているのです。

口で言うだけでは何も始まりません。やはり世の中の意識を変えるのは効能や実績です。

我々が今後も事業を進めて実績を残していくことで、日本における遺伝子研究の推進にも貢献していきたいと考えています。

 

――では最後に、読者の方にメッセージをお願いいたします。

私はこの「生命科学」の力を使って日本、そして世界が抱える課題を解決していきたいと思っています。

皆さんもそれぞれのやりたいことを通じて一緒に世界を変えるようなことをやっていけたらと思います。

アドバイスできるようなことはあまりないのですが、生命というのは「生まれて死ぬ」だけです。どんな辛いことがあっても、みんな「生まれて死ぬ」のは一緒なので、つらいことがあった時には「生命科学」に思いを馳せてみてください。

 

■読者のみなさまへのメッセージ

 

 

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著者 城戸 大輝

著者 城戸 大輝

著者 城戸 大輝

早稲田大学理工学部を卒業後、NTT東日本に入社。NTT東日本ではネットワークエンジニアとして光アクセス回線網の設計や設備投資戦略策定、新規保守サポートビジネス立上げ等を経験した後、DIに参画。DIでは国内ベンチャー投資や投資先への経営支援に加え、戦略コンサルティングとして大手メーカー等の新規事業創造等に携わる。

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