強烈な「目的意識」が見える世界を変える リンクアンドモチベーション 麻野耕司取締役(第3話)

企業組織の変革を支援するコンサルティング会社「リンクアンドモチベーション」。組織改善クラウド「モチベーションクラウド」の立ち上げなどで、スタートアップ界でも大きな存在感を放っているのが、同社取締役の麻野耕司氏だ。2019年4月に発売された著書「THE TEAM〜5つの法則〜」(幻冬社)は発売2週で5万部突破のヒットを記録している。そんな同氏が語る、成功する経営者の素養、成長する組織・事業の生み出し方とは。(全5話)

「Aim(目標設定)の法則」の効能

ーー「モチベーションクラウド」をはじめ、HRテック領域での新規事業を牽引されています。新規事業を創る上で意識されていることをお聞かせください。

「新規事業」と聞くと、ひらめきやアイディアといったものが必要と思われることが多いですが、私はそんなものはほとんど必要ないと思っています。むしろ、誰でも再現性を持って未経験の事業を生み出すことができる、と確信しています。

私は仕事柄、これまで様々な起業家と出会ってきましたが、遠くから見ていると天才と思えるような人でも、実際にお会いしてみると真似できない才能を持つような人はほとんど見たことがありません。みなさん、他の人でも再現可能なノウハウを実行して成功を掴み取っているのです。

私はそういった方々との出会いから学んだ様々なノウハウを活かし、事業を創っています。

 

ーーノウハウとは、具体的にどのようなものでしょうか?

1つ挙げるとすれば「目的意識」を強烈に持つこと。「THE TEAM」内で書いたところで言うと「Aim(目標設定)の法則」です。

目的意識を持つと、情報が意味あるものとして自分の脳に届くようになります。これは「カラーバス効果」と呼ばれるもので、情報に対する感度が一気に高まるのです。

例えば、いま目をつぶってみてください。そして「周りに赤いものは何個ありますか」と聞かれても、きっとほとんど思いつかないでしょう。しかし、目を開けてみると、さっきは目に飛び込んでこなかった赤いものがたくさん見えるようになります。

これと同じように、私は常に自分の中に目的意識を溜め込んでいます。例えば「いつか解決したい問題」であったり「いつか実現したい願望」といったものです。

そういった目的意識を強烈に持ち続けていると、どんどんと有益な情報がインプットとして入ってくるようになります。それらの情報を蓄積していくうちに新規事業の構想が見えてくるのです。

 

「モチベーションクラウド」が生まれたワケ

ーー新規事業を作ること自体が目的ではないのですね。

私の場合は新規事業を作ることを目的にはしません。

儲かっていそうな事業だから自分たちも参入しよう、というやり方で新規事業を作る手法もあるとは思います。しかし、それでは競合も多いので、最後はリソースをどれだけ集めてどれだけ投資できるかの勝負になりがちです。

弊社にはその勝負方法よりも、オンリーワンの独自性あるポジショニングを見い出し、競争優位性を作って勝ち切るやり方が向いていると考えています。

そういう勝ち方だからこそ、誰の問題を解決するのかという「目的意識」を明確に持つことが大切なのです。

 

ーー「モチベーションクラウド」に関してもその順序で思考されたのでしょうか。

昔から従業員満足度調査や社員意識調査といった組織診断ツールには、課題意識を持っていました。

私たちのコンサルティングでは組織診断ツールのデータをもとに改善施策を提案するのですが、提案の1年後に状況をヒアリングに行くと「忙しくてやれていなくて…」と実行できないクライアントが多くいました。これでは組織診断の意味がありませんよね。

そんな課題意識を持っている時に、出資先の事業を通してSaaS型のクラウドビジネスを知りました。診断だけで終わってしまうツールに対する課題意識と、月額料金をいただきながら定期的にデータやサポートを提供するクラウドビジネスが一つの線につながったのです。

そうして組織改善クラウド「モチベーションクラウド」は生まれました。

今年も「モチベーションクラウド」に続く新規事業を複数リリース予定ですが、いずれも昔から持っていた目的意識に対して、情報がだんだんと肉付けされてきたタイミングで形になったものです。

なのでまずは「目的意識」を強烈に持つこと。そこから見えてくる情報を蓄積し、自分たち独自の解決方法を見出すこと。これが私が新規事業を作る際に心がけている思考法です。

 

 

>第4話「社内外を牽引する、イントレプレナー成功の3条件」に続く

>リンクアンドモチベーションの採用情報はこちら

>リンクアンドモチベーションの公式HPはこちら

>モチベーションクラウドの公式HPはこちら

>>ベンチャーナビのLINETwitter 始めました。定期購読されたい方はぜひご登録ください。

リンクアンドモチベーション 麻野耕司取締役 著書 「 THE TEAM 〜5つの法則〜」発売中

著者 伊藤紀行

著者 伊藤紀行

著者 伊藤紀行

早稲田大学政治経済学部卒業、グロービス経営大学院経営学修士課程(MBA, 英語)修了。楽天に勤務後、EdTechベンチャーの東京オフィス立ち上げに参画。法人向け事業の急成長に貢献。その後グロービスにて英語MBAプログラム Japan Accountのリーダーとして、個人向けマーケティングと事業開発を担当。現在DIでは国内のスタートアップへの投資・上場支援を行い、志高い起業家への経営支援を通じて日本経済の活性化に取り組む。週末を中心にビジネススクールで思考領域の講師も務める。

RANKINGアクセスランキング

About Venture Naviベンチャーナビについて

挑戦する起業家・ベンチャー経営者のためのベンチャーナビ
経営課題解決のヒントとなる記事をお届けしていきます

DIはベンチャー投資・育成、
IPO支援を推進しています。
資金調達等のご相談があれば
お気軽に下記フォームよりご連絡ください。