
人生を変える出会いを引き寄せる「たった1つ」の方法 マザーハウス 山崎大祐副社長(第2話)
『途上国から世界に通用するブランドをつくる』というビジョンのもと、バングラデシュをはじめとしたアジア6か国でのものづくり、そして国内外38店舗を展開する株式会社マザーハウス。2006年の創業以来、代表の山口絵理子氏とともに同社を牽引してきた山崎大祐 代表取締役副社長に、経営者の素養、世界で通用する事業作りについて聞いた(全6話)
戦い続けるための「パートナー」の選び方
ーー先ほど「会社が終わるかもしれないと何度も思った」とおっしゃいましたが、それでも折れずに続けてこれた原動力はどこにあるのでしょうか?
折れてる暇がなかった。毎日進み続ける以外の選択肢がなかった。というのが正直なところかもしれません。
ただ私が逃げずに13年間やってこれた理由を1つ挙げるとするなら、代表の山口の存在が大きかったと思います。
山口は私の比にならないくらい困難なことに何度もぶち当たってきて、でもその度に正面突破して乗り越えてきました。そんな彼女を側で見て、逃げずにやり続けることの大切さを身をもって学びました。
ーーパートナーの存在が大きかった、ということですね。
山口という人に私が出会えたのは運の側面も強いですが、他の方にアドバイスできることがあるとすると「マインド指向性が逆の人と一緒にやったほうが良い」、そして「一人になるな」ということです。
実は山口は基本的にネガティブなタイプです。でもネガティブだからこそ、それを行動力に変えて状況を一点突破していく力がある。一方で私はポジティブで、状況を俯瞰して捉える思考力に長けているタイプです。
このように「ネガティブとポジティブ」「行動力と思考力」と、マインド指向性が正反対の二人が一緒に組むことで、意見がぶつかり合うことも多いですが、苦しい局面に直面したときに互いに補完し合いながら乗り越えていくことができます。
加えて、「一人になってはぜったいにダメ」です。
社内で信頼できるパートナーを持つことが理想ですが、家族や恩師、彼氏彼女でもいいので、とにかく自分一人で抱えるのではなく、適度な「逃げ道」を作ることが大切です。
経営者は孤独に抱え込むのではなく、とにかく「一人になるな」。この意識が経営を続けるためにはとても重要だと思います。
「発信」が人生を変える出会いを引き寄せる
ーー起業に興味はあるけれど一歩を踏み出せない、という人も多いと思います。そんな方々へアドバイスはありますか?
何もない中で自分の足で一歩踏み出せるというのは相当“クレイジー”なことです。なので、みんなが起業家になれると思わないほうがいいし、思う必要もないんです。むしろイノベーターな仲間と一緒にチャレンジするのも、立派なチャレンジ方法でしょう。
マザーハウスでいうと最初のチャレンジをしたのは私ではなく、代表の山口です。周囲の人全員に反対されながらバンブラディッシュに単身で渡り、ゼロのところからバッグを作って日本に持って帰ってきました。そのバッグを「買ってください」と私のところへ持ってきたのがすべての始まりです。
私は山口からすごく影響を受けたからこそマザーハウスの創業メンバーとしてジョインしたし、彼女との出会いがなかったら今こんなチャレンジをしていなかったと思います。
ーーそんな人生を変えてくれるような人と繋がるにはどうすれば良いのでしょう。
大切なのは1つ。「発信すること」です。SNSでも飲み会でもなんでもいい。自分の興味関心、許せないこと、喜びなどをどんどん言語化していくことです。そうすれば同じ意識を持っている人と繋がることができる時代です。
私が山口と出会ったのは学生時代で、当時から「貧困はどうしてなくならないのか」とか「資本主義のあり方はどうあるべきか」みたいなテーマを議論しあっていました。私の問題意識を言語化していたからこそ同じ意識を持つ山口と出会い、のちに作ったバッグを私のところまで持ってきてくれる関係になったわけです。
日本人は考え抜くまで言葉にしない癖がありますが、これはよくありません。とにかくちょっとでも感じたことや違和感は「発信」していくこと。これが、人生を変える出会いを引き寄せる一歩だと思います。
>第3話「「0から1をつくる」創業期の役割分担方法とは」に続く
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