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「遠心力」と「求心力」を最大化する“ONE SHIFT”の戦略 SHIFT 丹下大社長(第4話)

「無駄をなくしたスマートな社会の実現」を目指し、あらゆる領域の企業に対してソフトウェアの品質保証・テストを提供する株式会社SHIFT。2019年度「証券アナリストによるディスクロージャー優良企業選定」において新興市場部門第1位の優良企業に選出されるなど、投資のプロからも注目を集める急成長企業だ。そんな同社を牽引する丹下大 代表取締役社長に、起業家にとって重要な素養、成長事業の創り方などについて聞いた(全5話)

応援される起業家になれ

ーー名だたる実力者の仲間化に成功されています。キーパーソンの巻き込み方についてお聞かせください。

まずは「人として相性が良いこと」の見極めです。どれだけ力があろうとも、人として相性が悪ければ仲間にしてメリットはありません。

あとはやはり「夢・ビジョン」と「学ぶ姿勢」。

実績のある人ほど、待遇などではなく最後は「夢・ビジョン」に興味を持ったかどうかで参画を判断します。

例えば、社業取締役であるキーエンス元社長の佐々木道夫さんも、私がまっすぐ夢に向かっているのを見て「今まで会ったビジネスマンで丹下さんが一番面白い」とまでおっしゃり、参画してくださいました。そして佐々木さんがくれたアドバイスは素直に「学ぶ姿勢」を持っているからこそ、能動的に関わってくださっているのだと思います。

私も最近は出資や経営アドバイスを求められる機会が増えましたが、やっぱり「面白い夢のある人」、「学ぶ姿勢が強い人」を応援したくなりますね。

 

ーー「学ぶ姿勢」は、自分よりも実績や経験値のある方を巻き込む時こそ大切となりそうです。

逆に私が絶対に応援しないのは「砂漠に水」の人。要はいくらアドバイスをしても実行しない人です。それが社員だったとしても、やる気がある人にだけ時間を割くことが「真の平等主義」だと思っています。

本当にやりたくて、本当に困っているのならば、人のアドバイスを何が何でも自分の血肉に変えてやろうという覚悟があるものです。そして実力者であればあるほど、その覚悟があるかどうかはすぐに見透かすでしょう。

 

「遠心力」と「求心力」でM&Aを成功させる

ーーM&Aも積極的に推進されています。M&Aを成功させる上での秘訣についてお聞かせください。

M&Aのテクニックは色々とありますが、まず大切な話として「なぜM&Aをされる側が会社を売るのか」という視点を持つことが大切です。「M&Aをしたい」と言うだけでなく、「M&Aされたい」と思われるかどうか。相手の気持ちに立って考えるということです。

例えば、私の場合M&Aをされても良いかもしれないと思える相手は唯一ひとりだけ。ソフトバンクの孫さんです。なぜそう思えるかというと、孫さんなら私の会社をもっと飛躍的に成長させてくれると思うからです。

逆を返せば、自分が経営していたほうが成長させられると思う相手なら会社を売らないですよね。

ですので、私たちがM&Aをする際には、相手の会社が「SHIFTと組んだら段違いに成長できる」と信じられる状態を作っています。営業力、採用力、経営力、テクノロジー、プラットフォーム。あらゆるリソースをグループ会社には共有財産化しているので、シナジーのある企業はグループ入りすることで飛躍的に成長することができるのです。

 

ーーグループ入りした会社には丹下さんご自身がかなり介入されるのでしょうか?

会社の売上と利益は経営者の力量でほとんど決まります。なので、経営者の力を引き上げることの方が重要だと考えています。

例えば、グループ会社の予算はトップダウンで私が指示するのではなく、各会社の社長自らに出してもらうようにしています。そうすると大概私だったら描くはずの予算より小さいものが提出されてきます。これに対して「私だったらこうしてさらに成長させる。」とだけ提示して、実際にどういう予算を実行するかは社長に委ねるようにしているのです。

社長自身が変わらないと、会社は変わらない。この鉄則のもと、グループ会社とはコミュニケーションしています。

 

ーーシナジーと個性の尊重をうまくバランスさせていらっしゃるのですね。

私はそれを「『遠心力』と『求心力』のハイブリッド」と表現しています。

「遠心力」については、買収した会社の社名は変えません。創業者が社長である場合は社長も辞めさせません。SHIFT本体と被る事業をさせないことで、親会社と子会社のような上下関係も作りません。要は会社としての持ち味を尊重したまま成長してもらうことで、グループ全体の可能性を拡張させています。

一方で「求心力」については、営業リソース、人材リソース、プラットフォームなどグループのアセットを徹底的に共有財産化しています。象徴的な例として、グループ会社間の出向・転籍は頻繁に実施しています。

私たちは「子会社」という言い方をしません。上下関係を作るのではなく、「ONE SHIFT」としてそれぞれの持ち味を生かしながら、グループとして価値を生み出していくことに意味があると考えています。

 

 

>第5話「「無駄をなくしたスマートな社会の実現」に向けて」に続く

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著者 伊藤紀行

著者 伊藤紀行

著者 伊藤紀行

早稲田大学政治経済学部卒業、グロービス経営大学院経営学修士課程(MBA, 英語)修了。楽天に勤務後、EdTechベンチャーの東京オフィス立ち上げに参画。法人向け事業の急成長に貢献。その後グロービスにて英語MBAプログラム Japan Accountのリーダーとして、個人向けマーケティングと事業開発を担当。現在DIでは国内のスタートアップへの投資・上場支援を行い、志高い起業家への経営支援を通じて日本経済の活性化に取り組む。週末を中心にビジネススクールで思考領域の講師も務める。

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