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逆境をビジネスチャンスに変える!時代の潮流を捉え、事業を創造せよ MS-Japan 有本隆浩社長(第4話)

逆境こそビジネスチャンスの宝庫

ーー創業1年目から高収益で、順風満帆な起業家人生にも思えます( 第3話リンク)。そこから何か壁にぶち当たることなどはあったのでしょうか?

ご存じの通り、バブル崩壊(1991~1993年)から景気が急激に悪化し、求人情報誌への広告出稿も目減りしていきました。設立5年目(1993年)が創業来最低の売上でしたね。雇っていた社員2名も阪神大震災(1995年)などを機に退職し、会社には私と事務担当のみが残されました。

そんな景気どん底のタイミングで入社してきてくれた社員が1人いました。そして彼が言った「人材紹介業の認可をとれませんか?」という一言が私の心に火をつけたのです。

当時、人材紹介業というのは規制でがんじがらめの業態で、リクルート他、数社ぐらいしか認可を取得できていませんでした。普通に考えれば、当社のような中小企業に認可が降りる環境ではなかったのです。

しかし持ち前の営業力と情熱で、私は史上最年少(当時31歳)の認可取得者となります。通訳、秘書、経営管理という限られた職種しか紹介できない条件でしたが、奇跡的に認可が降りたのです。

やるからには絶対にリクルートを超えて日本一になろうと決め、ニッチトップになりうる管理部門特化型の人材紹介業を開始し、今につながっています。

 

ーーなぜ「管理部門特化」に着目されたのでしょうか?

当時は大リストラ時代で、大企業が何千人単位でリストラを敢行していた時代です。そして真っ先にリストラのターゲットとなっていたのが「管理部門」の人たちでした。

そんな逆風の中で「管理部門特化」の人材紹介業を立ち上げたので、世間からは冷ややかな意見をもらいましたね。でも私は「必ず数年内には揺り戻しが来る」と確信していました。

実際、「中途採用元年」と言われる1997年に、大企業が中途採用を本格的に開始しました。そして時を同じくして、「会計基準の国際的均質化」という潮流も起こります。つまり、国際会計基準の導入により有資格者を大企業が大量に欲する時代が到来したのです。

一般的に逆境と言われる環境には、必ずビジネスチャンスが眠っています。そのチャンスを見極められるかどうかに、経営者としての手腕が問われていると思います。

 

潮流を先読みし、業界圧倒的No.1を獲る

ーー管理部門特化の人材紹介からスタートし、いまでは様々な領域・職種において圧倒的なポジショニングを築かれています。

これも常に時代を先読みし、新しい事業を立ち上げてきたからです。

例えば、昔は公認会計士の資格取得者はほぼ全員が監査法人に就職し、企業内に会計士なんて1人もいなかった時代がありました。しかしバブル崩壊後、次第に監査法人がすべての会計士を吸収できなくなり、資格取得者なのに就職できない人が多発するという現象が生まれ始めたのです。

そこで当社が企業に提案していったのが、「企業内に会計士が活躍するフィールドを創る」ということです。いまでこそ会計士が企業内で働くのは当たり前ですが、その道を切り開いたのは当社です。結果的に、会計士の人材紹介に関しては圧倒的地位を確立しています。

同様な例として「弁護士」があります。弁護士も昔は企業内で働くということはほとんどありませんでした。

当社が目をつけたのは、新司法試験改正のタイミング。改正当時は「法科大学院を出れば7割が合格する」とアピールされていました。企業内で働いていた法務担当者も、こぞって退職して法科大学院に入学していったのです。

しかし私はこの煽り方は危険だ、と冷静に見ていました。7割なんて合格できないだろうし、大量の就職浪人が生まれると予想したのです。

実際に、蓋を開けてみると合格率は2~3割。法科大学院を卒業しても弁護士資格を取得できず、就職先を求める人で溢れました。

その潮流を先読みしていた我々は、全国の法科大学院と連携し、卒業生の就職支援事業を展開していきます。結果的に、司法試験受験者の就職支援市場は、当社がほぼ独占しているのです。

 

ーーベンチャーがIPOを目指す際に必ず課題となるのが管理体制の構築、責任者の採用ですが、こちらの市場においても御社の存在感が圧倒的です。これも潮流を先読みした結果なのでしょうか?

そうですね。孫正義さんが「ナスダック・ジャパン(現JASDAQ)」を開設したのが1999年。これで日本企業の上場に対する潮流が変わると考えた私は、当時の大手ベンチャーキャピタルや証券会社と一気に事業提携を進めていきました。

ベンチャーにおける上場責任者の仕事は一見華やかに聞こえますが、実態は「月次・四半期の決算を確実に出す」といった非常に地道なものの積み重ねです。肩書きだけで公認会計士などをいきなり送り込んでも絶対に成功しない。むしろまず必要なのは経理実務を着実に遂行できる担当者なのです。

私たちは上場業務の実態をどのエージェントよりも深く理解し、適した採用候補者を多く抱えているからこそ、上場を目指す企業の人材採用パートナーとして選んでいただいています。結果的に、IPOを目指す企業の情報が当社に次々と入ってきますし、今では上場企業の8割が当社のクライアントです。

法改正や制度改正。世の中が変化するタイミングにこそビジネスチャンスがあります。常に時代の潮流を先読みし、事業創造のタネにする意識が、新しい高収益事業を生み出す秘訣だと思います。

 

 

>第5話「「「感性人間」しか採用しない?自律的に動き続ける強い組織のつくり方」に続く(6月下旬公開予定)

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著者 伊藤紀行

著者 伊藤紀行

著者 伊藤紀行

早稲田大学政治経済学部卒業、グロービス経営大学院経営学修士課程(MBA, 英語)修了。楽天に勤務後、EdTechベンチャーの東京オフィス立ち上げに参画。法人向け事業の急成長に貢献。その後グロービスにて英語MBAプログラム Japan Accountのリーダーとして、個人向けマーケティングと事業開発を担当。現在DIでは国内のスタートアップへの投資・上場支援を行い、志高い起業家への経営支援を通じて日本経済の活性化に取り組む。週末を中心にビジネススクールで思考領域の講師も務める。

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