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AI契約書レビュー「LegalForce」誕生までの道のり LegalForce角田望CEO(第1話)

「全ての契約リスクを制御可能にする」をミッションに掲げ、AIによる契約書レビュー支援ソフトウェア「LegalForce(リーガルフォース)」を展開する株式会社LegalForce(リーガルフォース)。サービス導入実績約500社となり、2020年2月には10億円の資金調達も実施した。そんなリーガルテック業界を牽引する同社の代表取締役CEO 角田望(つのだ のぞむ)氏に、サービス誕生までの道のり、そして今後の展望などについて、DIMENSIONの下平将人が聞いた(全3話)

法曹界・共同創業者との出会い

ーー角田さんは元々大手法律事務所で弁護士として勤められた後、起業されています。起業された経緯をお聞かせください。

元々は「最新のテクノロジーを活用して法務サービスのクオリティを上げたい」という思いで、前職の同僚でもあった小笠原と「法律事務所ZeLo(ゼロ)・外国法共同事業」を2017年3月に立ち上げました。

ただ法律事務所という形態でリーガルテック(法律・法務×テクノロジー)のサービスを自前開発することは難しく、新たに株式会社を立ち上げないといけないだろうと1ヶ月後に立ち上げたのが株式会社LegalForceです。

なので最初から起業しようという意思があったのではなく、弁護士として独立したのちに、必然的に起業したというイメージが近いかもしれません。

 

角田望/1987年生まれ  京都大学法学部卒業後、森・濱田松本法律事務所を経て、2017年3月に法律事務所ZeLo・外国法共同事業、2017年4月に株式会社LegalForceを創業。弁護士(第二東京弁護士会所属)

 

ーー共同創業者である小笠原匡隆さんとなぜ一緒に創業されたのでしょうか?

小笠原は、好奇心が強く、情報感度が高い前職の同期です。

前職に在籍していた頃に小笠原とリーガルテックの未来を議論している中で、リーガルテック領域で何か面白いことをやろうとなったのは自然な成り行きだったように思います。

他方で、小笠原は弁護士としての能力も非常に高く、彼を選んだというよりは、彼がいたからこそ起業に至ったという意識の方が強いですね。

現在も小笠原が法律事務所ZeLoの代表で私が副代表、そしてLegalForceは私が代表取締役CEOで小笠原が代表取締役と共同創業者という役割分担でやっています。

 

ーーお二人とも弁護士でサービス開発も未経験かと思います。どのようにしてLegalForceのサービスの方向性を決めて行かれたのでしょうか?

弁護士業や企業内法務の仕事をやる中で「これはテクノロジーで改善できそう」というポイントはいくつか思いついていました。でもそのアイディアが本当にユーザーのニーズに応えているか、わかりませんでした。

創業当初は企業法務担当者などにひたすらヒアリングし続けました。そこから抽出したアイディアをエンジニアにぶつけ、テクノロジーで解決できる方法を模索していったのです。

 

人の縁から生まれた「LegalForce」

ーー創業当初の事業は現在のAI契約書レビューとは違ったとお伺いしました。

創業当初の10ヶ月間は契約書に特化したエディターを開発していました。

誤字を自動的に直したり、コメントを一元管理できるようなものを構想していたのですが、β版が出来上がり、小笠原に見せたときの感想は「使えない」というシビアなフィードバックでした(笑)。

弁護士がイメージするエディターといえばマイクロソフトのWordなのですが、Wordを超える物をたった10ヶ月で作ろうとしても無理ですよね。しかもWordとの互換性も無いという致命的な欠陥がありました。確かに「使えない」サービスだったと思います。

今思えば私自身がもっと早く気づくべきだったのですが、開発し始めるとそれが難しく、小笠原の一言でハッと目が覚めました。その一言をきっかけにエディター構想からピボットし、現在のAI契約書レビューサービスの開発に着手することができました。

 

ーーなぜAI契約書レビューを選ばれたのでしょうか?

もともと契約書レビューの課題が大きいというのはわかっていました。ただ自然言語処理の技術を使って、実用に耐えうるシステムが作れるかどうかまでは、わからなかったので踏み切れずにいたんです。

一緒にLegalForceをつくるメンバーを集めるなかで、時武(現取締役CTO(最高技術責任者))と出会い、開発に着手し始めることができました。

その後、京都大学からシードシリーズで資金を調達し、京都大学の自然言語処理研究室と共同研究をはじめ、研究室の森教授が同研究者 兼 技術顧問として参画してくださいました。

そして私が求人者と求職者をマッチングする「Wantedly(ウォンテッドリー)」でたまたまスカウトを送った舟木(現・執行役員CRO(研究開発統括))が時武と同じ研究室出身だったという縁も重なり、彼が副業で手伝ってくれるようになってから、一気にサービスが実現に向けて進み始めました。そして、現在に至ります。なので、私は構想からスタートし、様々な縁が繋がって、今のサービスが生まれました。

 

ーー川戸さんがCOO(最高執行責任者)に就任されてから一気にグロースのスピードが加速したようにも思います。

初めての資金調達の時、事業計画なんて作ったこともなければ、パワーポイントすらほぼ触ったこともない私は困り果ててしまいました。(笑)。そのときに、ベンチャー経営者の方から「優秀な人がいる」と紹介してもらったのが川戸でした。

彼は初めて話した瞬間から理解が本当に早くて、責任感の強さ、判断の的確さも素晴らしいものがあります。仕事を一緒にすればするほど「すごい」と思う人です。現在はCOOとしてサービス開発、組織づくり、資金調達にいたるまで、あらゆるところを切り盛りしてくれています。

私がやるよりもはるかに能力の高い仲間との縁があったからこそ、今の「LegalForce」の成長があります。

 

ーー創業期の仲間づくりで苦労するスタートアップも多いです。角田さんはどのようにして優秀な仲間を集めて行かれたのでしょうか?

いいなと思った人はひたすら口説く。ウォンテッドリーのスカウトも日課のように送り続ける。その行動量がまずはポイントだったように思います。あとは、仕事の面白さを精一杯伝えること。そして素直に、自社の状況を良く見せすぎないこと。

まだ世の中にないプロダクトのコンセプトを素直に伝え、共感してくれたメンバーが今のLegalForceを支えています。

 

 

 

 

>第2話「「リーガルテック×専門家集団」で法務に貢献し続ける」に続く(10月上旬公開予定)

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筆者 下平 将人

筆者 下平 将人

筆者 下平 将人

法律事務所、LINE株式会社の社内弁護士(リーガルカウンセル)、新規事業開発を経てDIに参画。DIでは、ベンチャー投資、投資先の経営支援に取り組み、投資先企業の社外取締役等を務める。東京弁護士会所属弁護士。Arts and Lawに所属しクリエーターの無料法律相談を担当。チャレンジングな事業領域に挑戦する起業家と汗をかき、共に理想を追い求め続ける存在でありたい。

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