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起業から約10年。バルクオム 野口卓也CEOが身につけた起業家としての素養とは(第1話)

「メンズスキンケアブランド世界シェアNo1」というミッションを掲げ、男性向け化粧品ブランド「BULK HOMME(バルクオム)」を展開する株式会社バルクオム。 今年に入りTVCMの放映を開始し、このコロナ禍でも前年同月比で約200%以上を記録するなど、メンズビューティ―市場を牽引する急成長ベンチャー企業だ。 そんな同社の代表取締役CEO 野口卓也(のぐちたくや)氏に、起業家にとって重要な素養や、ブランドづくりなどについて、DIMENSIONの下平将人が聞いた(全5話)

起業家の唯一の武器「ビジョン」

ーー野口さんが考える、「起業家にとって重要な素養」を3つ挙げるとするとなんでしょうか?

1つめは「ビジョン」だと思います。

「鶏が先か、卵が先か」とよく問われますが、起業は起業家の「ビジョン」からすべてが始まります。仲間や資金、プロダクトというものは全て後からついてくるものなのです。

野口 卓也/1989年生まれ
慶應義塾大学環境情報学部中退。ITベンチャー等複数の企業を立ち上げ、2013年にBULK HOMME事業を開始。2017年、組織再編を経て株式会社バルクオムを設立、代表取締役CEOに就任。

 

私はこのビジョンを大きく2つの軸でとらえています。「世の中のネガティブ要素を解決してニュートラルにする」、もしくは「ニュートラルな要素をポジティブにする」という2軸です。

どちらの軸でも良いので、実現したい未来とプロセスを一言で語る「ビジョン」を持つ。これが何も持たない起業家の唯一の武器であり、唯一の差別化要素だと思います。

2つめの素養が「メタ化する力」です。

メタ化する力とは、物事を抽象化して理解する力のことです。

例えば我々の場合「世界売上No.1のブランドを作る」と公言しているので、ブランドシェアNo.1を獲ることを至上命題としてマーケティング活動に取り組んでいます。

私自身、デジタルマーケティングには創業以来かなり細かいディレクションの部分にまでコミットしてきましたが、そればかりやっているとデジタルマーケティングの最適化に視野が狭まってしまいがちです。

しかし現場に入り込んで経験した細かい内容の本質を捉え、「メタ化する」ことができれば、他の経営課題に生かすことができるでしょう。この物事を抽象化して理解する力は会社経営する上では不可欠な力です。

野口流「メタ化」術

ーー「メタ化する力」を身につけるために、野口さんが普段意識されていることがあったらお聞かせください。

私は少し独特なのですが、一つの現象を「文章」「数学」「図形」の3つの視点に分解して理解することで、「メタ化する」ようにしています。

例えばデジタルマーケティングって「数学」が非常に重要ですよね。インプレッション数に対してのサイト流入数、購入数とファネルを1つずつ進んでいき、その間のコンバージョン率を改善していくことが鍵になります。

このようにデジタルマーケティングを、数学を用いて「メタ化」すると、例えば採用活動も原理原則が全く同じ構造であることに気づくことができます。採用サイトに来て、その中で具体的に興味を持ち、面接まで来てくれる方が何人いるか。デジタルマーケティングと同じファネルを設定することができるのです。

このように何事も「文章」「数学」「図形」の視点で分解して理解し、その要素を他の分野に活かしていく。これが、私が「メタ化する力」を磨く上で意識していることです。

 

ーー起業家の素養、3つめはいかがでしょうか?

最後の3つめは「粘り腰」です。

私がバルクオムの事業をはじめて7年半、大学を中退してはじめての起業から数えると12年が経ちました。最初から天才的にビジネスを成長させるトラクションがあるタイプでは決してありませんでした。

それでも10年間同じことを「粘り腰」を持って諦めずにやっていれば一定の結果に繋がる、というのが私の経験則による感覚です。

例えばこのコロナ禍の中で事業が急成長している会社は、マクロ環境のトレンドを受けて楽して成長しているわけではなく、これまでに粘り、貯めてきたアセットが結果として表出しているだけだと思うのです。

もちろん事業によって何年続けるべきかの判断は異なりますが、どんな事業も「粘り腰」が無いと立ち上がらないと思っています。

 

>第2話 事業開始から貫くBULK HOMME「世界No.1」への想い バルクオム 野口卓也CEO

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著者 下平 将人

著者 下平 将人

著者 下平 将人

弁護士として一般民事や企業法務を経験したのち、LINE株式会社の社内弁護士やチャットボット領域の新規事業開発担当を経て、DI、DIMENSIONに参画。人材紹介サービス「CAREEPOOL」のPM。投資先複数社の社外取締役。日本組織内弁護士協会理事。一橋大学法学部、慶応義塾大学法科大学院卒業、グロービス経営大学院卒業。 クリエーターをサポートするArts&Lawに所属しクリエーター向けに無料法律相談を実施。 アニメ業界のペインについて業界を横断して考える「Animation&law」を主催。

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