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唯一無二のブランドを「リーン」戦略で作り上げる バルクオム 野口卓也CEO(第3話)

「メンズスキンケアブランド世界シェアNo1」というミッションを掲げ、男性向け化粧品ブランド「BULK HOMME(バルクオム)」を展開する株式会社バルクオム。 今年に入りTVCMの放映を開始し、このコロナ禍でも前年同月比で約200%以上を記録するなど、メンズビューティ―市場を牽引する急成長ベンチャー企業だ。 そんな同社の代表取締役CEO 野口卓也(のぐちたくや)氏に、起業家にとって重要な素養や、ブランドづくりなどについて、DIMENSIONの下平将人が聞いた(全5話)

戦略は「90点よりも50点×10本」

ーー先ほどおっしゃった(第2話リンク)「メンズスキンケアブランド世界シェアNo1」を目指す上での戦略についてお聞かせください。

「LEAN(リーン)」な戦略づくりが大切だと思っています。

リーンな戦略とは必要最小限の動きで、ファクトを積み上げる戦略です。

例えば、筋の良い90点の戦略を1つ作り込むよりも、50点でいいから戦略を10本走らせて検証し、実績を積み上げる戦略をとっています。我々のメインターゲットである若い男性に一番刺さるデジタルマーケティングに関しては、あらゆる媒体にあらゆる訴求方法で徹底的に検証をやりきってきた自信があります。

このリーンな戦略検証方法は今後海外で戦っていく上でも通用すると考えており、グローバル単位でいかに戦略を検証していくかということに今は全力を注いでいます。

 

ーー要するにたくさんの小さな失敗をしながら、洗練された戦略を練り上げていくということですね。

その通りです。別の観点で申し上げると、我々はメンズビューティ―市場を創っているという自負があります。

BULK HOMMEのユーザーの半分ほどは「今までスキンケアをしたことが無かった人」。つまり今まで買ったことのない新規ユーザーを開拓しているんです。

そういった新規ユーザーを開拓する上では、いくら既存市場の調査をしても質の高い仮説・戦略を作ることはできません。リーンに実行し、やりきることからしか生み出せないのです。

 

ーーリーンなPDCAを組織で浸透させていく工夫についてお聞かせください。

シンプルですが「自分が一番早くアクションする」ことは常に意識していますね。

雑でもいいから誰よりも早くメールもSlackも返す、一瞬でも早く意思決定する。どんな小さなことでもいいので自分が素早いアクションを徹底することで、弊社は30人規模程度の組織ですが、メンバーも影響を受けてスピードを意識したアクションをとってくれているのかなと思います。

今後は組織がさらに大きくなっていくフェーズで、これを仕組み化し組織に浸透させていくためにビジョン・バリューの見直しなども実施しました。行動指針の1つに「LEAN」と掲げたほどです。

チームが大きくなっても、このリーンなPDCAを続けていきたいと思います。

ブランド価値を定量化する

ーーブランドづくりについて、野口さんが工夫されていることをお聞かせください。

まず前提として、「ブランドが成立している状態」がそもそも何かというと「自分たちが思う適正価格をお客様に認めていただける状態」だと思っています。

その考えのもとモニタリングしているのが「セカンダリーマーケットでの価格」です。市場原理として「ブランドが成立している状態」であれば、2次流通の価格も崩れないはずだからです。

例えばエルメスさんのバッグは2次市場で一般販売価格よりも高値で取引されています。これは需要に対して供給が満たされていない範囲内で彼らが商品を製造しているということ。きっと裏側では、数理モデルでロジカルに生産数が算出されているのではないでしょうか。

我々はまだそこまで明確な数理モデルが確立されているわけではありませんが、セカンダリーマーケットでの価格をひとつの指標とすることで、需要と供給がバランスされているかを確認できると思っています。

例えば、今年テレビCMを放映させていただいたタイミングで、コロナ渦によるEC伸長も重なり、我々のシャンプーの生産が追いつかず欠品してしまった期間がありました。

楽しみにしてくださっているユーザーの皆さまにご迷惑をおかけしてしまい申し訳なかったのですが、その欠品期間中にいわゆるフリマアプリでは我々のシャンプーが3倍ぐらいの値段で取引されていました。

これはセカンダリーマーケットが市場原理を表す指標となりうることを改めて確認することができた出来事となりましたね。

 

ーーブランド価値をも定量的に捉えようとする姿勢が印象的です。ほかに意識されていることはありますか?

競合企業を意識した戦略は絶対にとらないということを徹底しています。

どういうことかというと、市場に既に存在するお客様に対して商売するのではなく、今はまだ商品を吟味したことがない方に興味を持っていただき、買っていただくことが我々の存在意義だと思っているんです。

例えば大手化粧品会社が新ブランドで百貨店に販売網を構築したからといって、うちが戦いを仕掛けて出店するという考え方は一切しません。

はじめてスキンケアをするお客様にとって、我々のスキンケア商材は信じられないほどの効果実感を提供できると自信を持っています。ゆえに競合他社を見るのではなく、新しいお客様に対して再現性を持って商品を広げていくこと。

これに集中することが、我々のブランド価値だと考えています。 

 

第2話> 事業開始から貫くBULK HOMME「世界No.1」への想い バルクオム 野口卓也CEO

>バルクオムの採用情報はこちら

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下平 将人

下平 将人

下平 将人

弁護士として一般民事や企業法務を経験したのち、LINE株式会社の社内弁護士やチャットボット領域の新規事業開発担当を経て、DI、DIMENSIONに参画。人材紹介サービス「CAREEPOOL」のPM。投資先複数社の社外取締役。日本組織内弁護士協会理事。一橋大学法学部、慶応義塾大学法科大学院卒業、グロービス経営大学院卒業。 クリエーターをサポートするArts&Lawに所属しクリエーター向けに無料法律相談を実施。 アニメ業界のペインについて業界を横断して考える「Animation&law」を主催。

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