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ファンを熱狂させ続ける仕掛け VTuber事務所「ホロライブ」躍進の舞台裏 カバー 谷郷元昭CEO(第4話)

コンピュータグラフィックスのキャラクターをYouTuberとして動画投稿を行うバーチャルユーチューバー(VTuber・ブイチューバ―)事務所「ホロライブプロダクション」を運営し、「日本発のバーチャルタレントIPで世界中のファンを熱狂させる」ことをビジョンに掲げるカバー株式会社。2020年5月にはDIMENSIONからの出資を含め、総額約7億円の資金調達も発表した。同社の急成長を牽引する代表取締役社長CEOの谷郷元昭(たにごうもとあき)氏に、起業家の素養や事業成長のポイントなどについてDIMENSIONビジネスプロデューサーの伊藤紀行が聞いた。(全5話)

VTuber界でのポジショニングは“インターネット屋”

ーー現在「ホロライブプロダクション」として展開されているVTuber事業についてお聞かせください。

VTuber領域には、大きく2種類のビジネスがあります。

1つめは、事務所が主導してタレントプロデュースするビジネス。2つめは、VTuber活動を支援する仕組みを提供するようなビジネス。我々が展開しているのは後者です。

個人クリエイターの皆さま向けにオーディションを開催し、その中から選ばれた人のVTuber活動を支援させていただいています。具体的にはホロライブプロダクションという枠組みの中で、女性VTuberグループ「ホロライブ」と男性VTuberグループ「ホロスターズ」を展開しています。

 

ーーVTuberとして活躍したい個人の方々を支援する、という事業なのですね。

コンテンツ領域でありながらも、基本的に我々が展開しているのは「インターネットビジネス」です。つまり「個をエンパワーメントする」というのが基本的なコンセプト。

例えばフリマアプリは「物を売りたい個と、買いたい個を繋ぐ」仕組みを提供するビジネスですよね。我々もVTuber活動したい人たち向けに、VTuber活動できるようなアプリケーションを提供しています。

VTuberコンテンツ領域の中でも“インターネット屋”のポジショニングを取ってるのです。

 

ファンを熱狂させ続ける仕掛け

ーー今ではホロライブからデビューするVTuberの多くが、一躍人気になっています。何か工夫されているポイントはあるのでしょうか?

我々はオーディションで選ばれた方々を約5人単位で数ヶ月おきに「ホロライブ1期生、2期生」といった形で複数名同時にデビューしてもらっています。こうすることで、同期の結束力」がすごく高まるんです。

実はこれは、例えば「けいおん!」のような“日常系アニメ”を参考にしながら設計しています。これらのアニメは5人ぐらいの登場人物の掛け合いによってストーリーが成り立っていますよね。

我々もそれに近い形で、1人でデビューさせるのではなく、5人くらいの同期を作り、仲良くコラボしながらコンテンツを発信していける仕組みを作っています。よく「ホロライブは暖かい」とファンの方々に言っていただけているのが嬉しいですね。

 

ーー所属VTuberがコンテンツを配信し続けるモチベーションを維持させるための工夫などがあればお聞かせください。

タレントの皆さんには、最初は顔だけが動かせる2Dのキャラクターモデルを提供しています。iPhoneさえあれば配信ができるアプリケーションなので、全世界どこにいても配信できます。

次に、一定のチャンネル登録者数を超えたら全身の3Dモデルを提供します。東京のスタジオで撮影することで、全身姿でライブイベントに出演できるようになるのです。このような段階的支援をすることで、配信モチベーションを高める仕組みを作っています。

例えば、こちらの動画はスタジオからリアルタイムでライブ配信したものです。ライブではオンライン・オフライン合わせて約4万人動員していますので、ここで歌ってダンスパフォーマンスができることはタレントの皆さんにとって大きなモチベーション源になっています。

他にも登録者数が増えると企業タイアップ案件に出演できたり、ライブ限定の新衣装を使えるようになるなど、パフォーマンスの幅が広がる仕掛けをいくつも提供し、コンテンツ配信のモチベーションを維持できるよう工夫しています。

 

ーー逆に、ファンの皆様を惹きつけ続ける工夫などがあればお聞かせください。

まずは個々人のクリエイティビティを大事にすること。会社として画一的な何かを指示してやらせるのではなく、いろんな個性を大切にしています。

その上で、完全にタレントさん任せになるのではなく、会社とタレントさんが二人三脚で成長しているのもホロライブならでは。例えばタレントさんのチャンネルとは別に、ホロライブ公式チャンネルでもショートアニメやミュージックビデオのような独自コンテンツを定期的に制作しています。

これらのコンテンツを制作するのは非常にお金のかかることなので、普通はやらないこと。でも他社はやらないことをやっているからこそ、ファンの方々に驚いていただけます。

会社主導でホロライブ全体を盛り上げる施策と、各タレントさんが個々人の個性を活かして配信を盛り上げる施策。この両輪があることによって、多くのファンの皆さんに楽しんでいただいているのかなと思います。

 

第3話 急成長するスタートアップに共通する4つのポイント カバー 谷郷元昭CEO

 

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著者 伊藤紀行

著者 伊藤紀行

DIMENSION Business Broducer:早稲田大学政治経済学部卒業、グロービス経営大学院経営学修士課程(MBA, 英語)修了。楽天に勤務後、EdTechベンチャーの東京オフィス立ち上げに参画。法人向け事業の急成長に貢献。その後グロービスにて英語MBAプログラム Japan Accountのリーダーとして、個人向けマーケティングと事業開発を担当。現在DIでは国内のスタートアップへの投資・上場支援を行い、志高い起業家への経営支援を通じて日本経済の活性化に取り組む。週末を中心にビジネススクールで思考領域の講師も務める。

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