DIMENSION NOTE スタートアップ/ベンチャー経営のための
ヒントやナレッジを発信

起業家の実例に学ぶ「事業成長のノウハウ」ー第3回 不運・不遇を好機に転換した起業家の実践例-

「起業家インタビュー」から、先輩起業家の実践例をご紹介

こんにちは、DIMENSION Business Producerの伊藤紀行です。数回にわたって、スタートアップやベンチャー業界における選りすぐりの起業家を取上げた「起業家インタビュー」をの中から、事業成長のノウハウをご紹介しています。

皆さんは、運が良いと思いますか。あるいは、成功した起業家の皆さんはやはり運のよい方々なのでしょうか。DIMENSION NOTEの取材で起業家の皆様のお話を伺っていくと、“不運”や“理不尽”が原体験となった方が意外にも多いことがわかりました。

 

成功する起業家に共通する、“不遇”や“不運”の活かし方とは?

今回も我々のチームをサポートしてくれいているインターン生の力を借りて、実際に過去4年間すべての取材履歴を振り返ってみました。

“不運”や“不遇”という一見マイナスに思える要素が、なぜ多くの起業家・経営者の方にとっての原体験となるのでしょうか?これまで本メディアでお話を伺った経営者の皆様の知見や実例を基に、皆さんと考えてみたいと思います。

本日のコラムでは

  • 弁護士ドットコム創業者の元榮太一郎さん
  • MS-Japan 代表取締役社長の有本隆浩さん

 

の御二方のエピソードをご紹介します。

 

“不運”な出来事から、自身の志を見つける

日々お会いする起業家の皆さんから、

「これはという事業アイデアがでてこない・・・」
「事業ピボットのアイデアを模索している・・・」

という声を伺うことがあります。皆さん様々な工夫を凝らしアイデアを考えられていますが、一見不運にみえる出来事から斬新なアイデアがでてくるケースもあるようです。弁護士ドットコム 元榮社長の事例をみてみましょう。

 

“弁護士を目指したきっかけは、大学2年生で物損事故に遭ったことです。自分ではどうしようもない事態に陥った時に、弁護士に助けられました。

この弁護士さんの姿を見て、「こんなに困っている人の力になれる仕事ってすごいな」と素直に感心し、興味を持つようになったのです。

自分の経験すべてが志を見つけるきっかけにつながります。

たとえ、それが物損事故という喜ばしくない出来事であったとしても、私のように自分の道を見つけるヒントになるかもしれないのです。(弁護士ドットコム元榮会長)”

 

不運な出来事にも、自身の過ごし方次第で大きなチャンスに転換することができるエピソードですね。さらにみていきましょう。

 

“・・・先ほどお話しした物損事故に遭った際にも、弁護士を探すのが非常に大変でした。

こうした自分自身が困りはてた経験から、弁護士とかかわったことのない多くの人は、「いざ」というときに解決の糸口をつかめずに困っているのではないかと考えたんです。

比較サイトへの関心と、弁護士を探すのに苦労した経験という関心の掛け合わせにより、弁護士ドットコムのサービスは生まれました。

本サービスを思いついた2004年は、インターネットが勢いを増してきた時代。弁護士についてインターネットで検索をしながら、整理されていない情報量に困り果て、さまよっている人がたくさんいるのではと思いました。

実際に調査してみると、弁護士ドットコムのようなサービスは、未だ日本にはないことがわかりました。「血沸き肉躍る」とはまさにこの時の感覚ですね。(同上)”

 

不運な出来事でも、自身の捉え方次第で大きなチャンスに転換することができるエピソードですね。我々が日々直面している問題の解決策が、新たなサービスを閃く糸口となりうるかもしれません。

 

景気のどん底で入社してくれた社員さんの発言が契機に?

元榮さんは、不運な出来事から起業のきっかけをつかまれました。

続いて、起業後の低迷期に社員がたった2名にまで減ってしまうという不遇な環境から新しい事業機会をみつけられた、MS-Japanの有本社長の事例もみてみましょう。

そんな景気どん底のタイミングで入社してきてくれた社員が1人いました。そして彼が言った「人材紹介業の認可をとれませんか?」という一言が私の心に火をつけたのです。

当時、人材紹介業というのは規制でがんじがらめの業態で、リクルート他、数社ぐらいしか認可を取得できていませんでした。普通に考えれば、当社のような中小企業に認可が降りる環境ではなかったのです。

しかし持ち前の営業力と情熱で、私は史上最年少(当時31歳)の認可取得者となります。通訳、秘書、経営管理という限られた職種しか紹介できない条件でしたが、奇跡的に認可が降りたのです。

やるからには絶対にリクルートを超えて日本一になろうと決め、ニッチトップになりうる管理部門特化型の人材紹介業を開始し、今につながっています。

ーーなぜ「管理部門特化」に着目されたのでしょうか?

当時は大リストラ時代で、大企業が何千人単位でリストラを敢行していた時代です。そして真っ先にリストラのターゲットとなっていたのが「管理部門」の人たちでした。

そんな逆風の中で「管理部門特化」の人材紹介業を立ち上げたので、世間からは冷ややかな意見をもらいましたね。でも私は「必ず数年内には揺り戻しが来る」と確信していました。

実際、「中途採用元年」と言われる1997年に、大企業が中途採用を本格的に開始しました。そして時を同じくして、「会計基準の国際的均質化」という潮流も起こります。つまり、国際会計基準の導入により有資格者を大企業が大量に欲する時代が到来したのです。

一般的に逆境と言われる環境には、必ずビジネスチャンスが眠っています。そのチャンスを見極められるかどうかに、経営者としての手腕が問われていると思います。(MS-Japan 有本社長)”

 

起業家として事業を運営していく中では、逆境に直面することも数多くあるかもしれません。しかしそんな時にこそ、有本社長よろしく、チャンスを虎視眈々と伺う姿勢が成否をわけるのかもしれませんね。

 

不運や不遇を好機に転換するために、我々にできることは?

いかがでしたでしょうか?本日のコラムでは、2人の経営者の実践事例をご紹介しました。

最後に、DropboxやAirBnBを産み出したY CombinatorのPaul Graham氏は、スタートアップのアイデアの獲得法を以下のように表現されています。

The way to get startup ideas is not to try to think of startup ideas. It’s to look for problems, preferably problems you have yourself. (How to Get Startup Ideasより抜粋)”

アイデアを探そうとするより、問題、できれば自分が直面している問題(とその解決方法)を探す方がよい、ということでしょうか。一般的にはなるべく問題を避けられるに越したことはないですが、起業家にとっては問題も宝の山になりうるかもしれません。

  • “不運”や“不遇”に見えて、実は好機となりうることはないでしょうか?
  • 問題、特に皆さん自身が解決したい問題は何でしょうか?

 

上記について考え、実行することで、皆さんの更なる飛躍や爆発的な成長のきっかけが得られるかもしれません。もちろん我々が相談・壁牛相手となることも大歓迎ですので、起業家の方は気軽にご連絡ください。

またDIMENSION NOTEの起業家インタビュー起業ノウハウ、私が連載している「起業家の実例に学ぶ、事業成長のノウハウ」の第1回第2回、そして次回以降の記事なども参考にしてみてください。

DIMENSION NOTEについてのご意見・ご感想や
資金調達等のご相談がありましたらこちらからご連絡ください

Cxo Story CxOのインタビューはこちらでお読みいただけます