「消費財のゼロ・エミッション社会」を創り出す オークファン 武永修一 代表取締役(第6話)

M&Aにより増していくオークファンの存在感

──近時ではネットプライス(ホームページ。B to Cのオンラインショッピング事業)を買収されたことで、ますますネットリユース市場での存在感を放たれていらっしゃいます。そんな御社が、今後成し遂げたいビジョンやチャレンジをお聞かせください。

私は「Trade is No Border」、あらゆる人が、あらゆる場所で、あらゆるモノを売り買いできる新しい時代を創るということを志としています(第1話リンク)。

フェアな価格、フェアな販路で、物が世界中に行き渡っていくことを夢見ているのです。そして、その中で自社ができることは、最大限にやっていきたいと思っています。

オークファンは、個人、法人向けのモノのデータバンクです。そして、それにB to CのEC事業であるネットプライスが加わりました。このシナジーについて質問はよくいただきます。

ネットプライスは、老舗の通販サイトです。250万人の購入者リスト、2000社の仕入れ企業リストを保有しています。オークファングループとしては、新規メーカーとの営業機会を得ることができ、かつ250万人の消費者に直接「お買い得品」を届ける新たな販売経路を獲得できるようになります。つまり、仕入れと販売の強化です。

これは、単にオークファンがB to CのEC事業に進出するという意義だけでなく、B to B取引を中心とするNETSEAとリバリュー事業にとっても、比較的商品販売単価の高いB to Cの販売経路を持つことは、 既存の仕入れ企業への提案の幅を広げることにも繋がります。

より多面的なソリューション提供が可能となるのです。私としては、いよいよ本丸に攻め込みはじめたという感覚があります。

経営と投資を同時に手掛けることのシナジー

──販売事業の展開により、一層御社の成長が拡大していきそうです。

はい、しかも販売に関してもこだわりを持っています。

新品の商品は、流通網が細かく行き渡っている。商社や問屋など関わる企業もたくさんあります。対して、アウトレットや二次流通、返品の商品になると、途端にハードルが上がる。新品の5-7%程度は市場があるのに、再販するまでに手間がかかる、不透明なイメージがあるので、多くの企業は手を出さないのです。

新品を販売するメーカーや小売にとっては、再生工場で1つの検品を通過するだけであっても、すごく面倒な印象になります。弊社はあえてそこを狙っていきたいと考えています。

──投資事業にも今後注力していく予定ですか?

私にとっての投資は、良い会社、事業があれば合流してもらうための布石です。

投資で100億円稼いでいたとしても、事業会社である以上は本業が成長しなければ意味がない。

私にとっては、ビジョンの実現に向けて本業で社会に存在感を出すことが重要なのです。

投資はどちらかといえば好きで得意だと思いますが、投資会社ではないですからね。投資において良い話がもらえるのは、本業をやっているからこそです。事業と投資の2つは、相乗効果だと思います。私が事業を引退して投資家になっても、あまり成功できるイメージはありません。

ゼロ・エミッション社会を創造する企業へ

──長期的に実現したい社会像について教えてください。

いずれは、ある商品の在庫を見た瞬間に、「いつ、どこの販路で、どういう価格であれば最適に売れるか」ということを、メーカーや小売りに提案できるところまでいきたいと思っています。

膨大なデータが背景にあるからこそ、正確な情報を弾き出せるわけです。そして、to B、to Cの販路も自社で構え強化しています。あとは物流システム。今は破棄されているが、本来価値あるものを世界中の必要とする人に最適な形で届けていきたいのです。無駄に破棄される商品の在庫の数を極限まで減らしていきたいと思っています。

人間が消費活動を行っている以上、捨てられる物はゼロにはなりません。しかし、その現実に諦めるのではなく、生産者に寄り添い、モノの最適な価格、販路を提案し実行まで請け負う。最終的に廃棄物をゼロに近づける「ゼロエミッション社会」を目指し続けていきたいと思います。これは壮大すぎるテーマで終わりがないですが、その分面白みがあります。日本発を意識せず、自然に世界の中で社会インフラの一翼を担えれば本望です。

──最後にこのメディアを見ている起業家のみなさんへのメッセージをお願いできますでしょうか。

第1話でもお伝えしたとおり、起業家にとって必要な素養として、志、キャラ、直観力の3つが重要です。まずは、一生かけてやりたいブレない何か、「志」が最初にあるべきで、それに素直な人は周囲に情熱が伝わり、成功するのではないかと思います。

次にキャラも意外に重要です。先輩に好かれやすい、変わり者、いじられキャラ等、人間らしさを出されると、人がついてきやすい。あまり気負って「社長らしさ」にこだわる必要はないと思っています。無理をして演じても周囲には分かってしまいます。

直観力も大切で、人の人生や事業の行く末を決める重要な要素です。色々な局面で「50対50」の意思決定を迫られる瞬間があります。つまり、どちらを選べば良いかわからない。そのようなときは、本を読んだり考え尽くすことも大切ですが、会社やメンバーから離れ、睡眠をたっぷりとって、運動したりぼーっとする。直観力を働かせて出た答えが正解だと思います。後は、そこで決めたことが正解になるよう邁進するだけです。この3つの要素で不可能と思われることも、成し遂げられると思います。

1つの経験談として、これから起業される方も、今起業されている方も参考になれば幸いです。皆さんなら必ずうまく行くはず。頑張ってください。

■起業家のみなさんへのメッセージ■

 

 

>オークファンの公式ホームページはこちら

LINETwitter 始めました。定期購読されたい方はぜひご登録ください。

筆者 下平 将人

筆者 下平 将人

筆者 下平 将人

法律事務所、LINE株式会社の社内弁護士(リーガルカウンセル)、新規事業開発を経てDIに参画。DIでは、ベンチャー投資、投資先の経営支援に取り組み、投資先企業の社外取締役等を務める。東京弁護士会所属弁護士。Arts and Lawに所属しクリエーターの無料法律相談を担当。チャレンジングな事業領域に挑戦する起業家と汗をかき、共に理想を追い求め続ける存在でありたい。

RANKINGアクセスランキング

About Venture Naviベンチャーナビについて

挑戦する起業家・ベンチャー経営者のためのベンチャーナビ
経営課題解決のヒントとなる記事をお届けしていきます

DIはベンチャー投資・育成、
IPO支援を推進しています。
資金調達等のご相談があれば
お気軽に下記フォームよりご連絡ください。