競争に勝てる強い事業と組織を作るためには オークファン 武永代表取締役(第5話)

2018.02.20

"Trade is NO BORDER!!"を掲げ、国内最大級のショッピング・オークション相場検索サイト等を展開する株式会社オークファン。 学生時代に起業し、2社の上場企業の創業者でもある 同社の代表取締役 武永修一氏に起業家に必要な素養や失敗談、そこから導き出された組織論等について聞いた。(全6話)

会社の中で最も力を発揮できる場所を見つける

──2008年にオークファンの組織、人事体制の構築で失敗されてから(第4話)、どのようなことを学び実行しているのでしょうか。

まだ改革途中ですが、人事体制の強化を図りました。管理本部長にインテリジェンス出身で、非常に人事に明るい方を就けました。

コンセプトとして、「優秀な人が評価されやすい会社」「変化に強い会社」を作ろうとしています。

その中で、楽しくやりがいがある仕事内容や自分の納得感のあるキャリアが積めるようにしたいと思っています。

──近時ネットプライスを買収される等、M&Aを加速されていますが、多様なバックグラウンドを持つ社員を束ねていく秘訣があれば教えてください。

社長の強いカラーや、強い文化を打ち出しすぎると、合わない人達が出てきてしまうと思います。

それよりも無色透明で、「みんなで頑張っていこう。」といういわゆるユナイテッド構想のほうが馴染みやすいと思っています。不必要にオークファン色が強まらないように注意しています。

M&Aにより新たに加わった組織は、ステージも社員数もバラバラ。しかし、それをマイナスとせず、プラスの魅力に変えていきたいと思っています。

オークファン本体の社員数は100人近くになっていますが、本体で成果を出し切れていなかった人が、社員数10人のグループ会社に行った瞬間に「別人?」と思うほど輝きだすこともあります。

つまり、多様な会社や組織を行ったり来たりできるようにすることで、真の意味での適材適所が図られると思うのです。抜擢や配置転換については、「彼はどこにおけば最も育つかな」というようにかなり議論をしています。

色濃く文化を押し出すよりも、仲間と仕事によって育っていくような組織を作っていくことの方が大切なんですよね。

ベンチャーが競争優位性を構築するための秘訣

──多くのスタートアップが出てくる中、競争優位性を築くことはなかなか難しいことだと感じます。その中で、御社はネットショッピングの取引価格データを蓄積させていき確固たる地位を築くことができているようにお見受けします。継続的な競争優位性を作る秘訣があれば教えてください。

難しい質問ですね。実は、弊社のある商品に対して現在の価格データを表示するという競争優位自体はもうあまりないと思っています。「CASH」に対抗して「メルカリNOW」がリリースされ、17分でサーバーダウンしたと話題になっていましたが、二次流通市場ではどんどん新しいサービスが生まれており「価格を示す」という意味での優位性は弱くなっている。

基本的には、競争優位性とは、組み合わせの妙だと思います。弊社の場合は、データを蓄積していけるので、時間が経てば強いモデルですよね。「価格を示す機能」×「蓄積機能」の組み合わせなのです。

蓄積することは意識してやってきました。中には、古いデータを見たい方がいるはずです。数は力なので、何百億件のデータがあるというのは強みになります。すぐにお金になるかどうかはわからなくても、蓄積していくということは競争優位性につながっていくのではないかと思います。

──ダイナミックな構想を描き、中長期を見据えて有益なデータを蓄積することを意識するということですね。

そうですね。やり続けるというのは重要です。

弊社の場合は、オークファン単体だけではなくて、オークファンのデータを使って企業が持つ返品・余剰品などの在庫を適正価格で流動化を促すリバリュー(http://revalue.jp )で買い取りを行うといったように、グループの事業を組み合わせることも重視しています。掛けるものが多ければ多いほど、参入障壁は二乗、三乗と高くなっていくのです。

オークファン単体に対して「そんなこと、うちでもできる」と考える人はいるでしょうし、リバリュー単体に対して「こんなのアウトレット販売だから、いつでも参入できる」と考える人がいるかもしれません。

しかし、オークファンのデータを中心としながら、アウトレット販売までできるようになった瞬間、どこにも真似ができないものができ上がるのです。

もし掛けるものが3つあれば、ハードルが2の三乗で8倍高くなるかもしれないですよね。4つあれば、2の四乗で16倍となるでしょう。

そうすれば、ほぼ参入は不可能になる。ビジネスモデルを考える際には、いつもこのようなことを考えています。

ある程度の期間をかけて、どれかひとつで良いので、例えばユーザーなのかデータなのかブランドなのか軸を作りつつ、そこにいろんなものを組み合わせていくことが大切です。正直、「稼ぐ」ということについては、最後の最後でもいいような気がします。

 

 

>>最終話(6話目)「『消費財のゼロ・エミッション社会』を創り出す」に続く

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筆者 下平 将人

筆者 下平 将人

法律事務所、LINE株式会社の社内弁護士(リーガルカウンセル)、新規事業開発を経てDIに参画。DIでは、ベンチャー投資、投資先の経営支援に取り組み、投資先企業の社外取締役等を務める。東京弁護士会所属弁護士。Arts and Lawに所属しクリエーターの無料法律相談を担当。チャレンジングな事業領域に挑戦する起業家と汗をかき、共に理想を追い求め続ける存在でありたい。

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