同じ船に乗る仲間の選び方 マネーフォワード 辻 CEO(第3話)

2018.03.20

「お金を前へ。人生をもっと前へ。」をミッションに、個人向け自動家計簿・資産管理サービスやビジネス向けクラウドサービスなどを展開し、昨年東証マザーズに上場した”国内Fin Techの雄”であるマネーフォワード代表取締役社長辻 庸介氏に起業家に必要な素養や人事・組織論等について聞いた。(全6話)

Must Have のサービスを目指す

——創業期における事業作りの秘訣があれば教えてください。

3つのポイントがあると思っています。

1つ目は、ユーザーは誰か、そのユーザーのペインが何かを突き詰めて考えること。そのためにはお客様の声を聴きに行ったりします。

2つ目は、サービスは「nice to have(あったら便利)」ではなくて「must have(ないと困る)」でなければならないと思っています。突き止めたユーザーのペインを解消するmust haveなサービスを設計できることが重要です。

最後に、PDCAサイクルを小さく高速でどんどん回していくことも重要です。素早く躓きに対処して、柔軟に再開発をしていけるかどうか。

この3つの観点は、多くの人に使ってもらえる良いプロダクトをつくるうえでの肝だと思っています。

他社のエースを口説く

——創業期の仲間作りの秘訣について教えてください。

マネーフォワードは、6人でスタートしました。リスクしかないので、漕ぎ出したばかりの船なんて誰も乗ってきません。ですから、知り合いに声をかけて、「こういう世界をつくりたい」とひたすら口説きまくりましたね。それで少しずつ共感してもらいました。当然、入社してもらいたい人は、各会社のエース。なかなか今いる組織は抜けられません。

逆説的ですが、すぐ入社できるような人とは、組みたくないなとも思っていました。

——どのような人を選ぼうと思ったのですか?

会社は、機能や役割分担で回っています。社長というのも、単なる役割の1つだとさえ思っています。私たちのビジネスでは、開発やセキュリティ等のエンジニアリング回りが極めて重要です。

そうした意味でも、役割を明確に任される人の存在が欠かせないのです。この人に任せてもし失敗して船が沈んでも仕方がないと思える人にお願いしようと決めていました。

——なるほど。選んだ人に共通する特性などはありますか?

ワンルームマンションの狭い空間で、うまくいかないこともたくさんあるという状況なのでネガティブな人は厳しいかなと思っていました。性格・考え方ともに、明るくてポジティブな人がいいと思っていましたね。

あと、チームワークができる人。一緒に働くなら楽しい人と働きたいし、人生の中の貴重な時間ですからつまらないネガティブなことは極力聞きたくないですよね。創業メンバーは、明るくポジティブな人ばかりが集まっていたので今でも仲がいい。

会社が成長した今も、役割は変わっても6名中4名が役員として残っています。これは他の会社と比較して、残っている方なのではないかなと思います。

採用面談で重視する3つのポリシー

——人事採用において大切にされているポリシーをお聞かせください。

1つ目は、シンプルにその人の持つ能力と地頭の良さを計ります。

2つ目は、1人では何事もできないので、チームワークを取りながら仕事を進められる人かどうか。

最後は、マネーフォワードのビジョンに共鳴しているか。

この3つを見ながら採用をしています。

採用に関しては、「能力が高い人だったらいいじゃないか」という意見の企業もありますが、私たちは会社のビジョンを一緒に実現できる人かどうかを重視しています。あとは、チームで成し遂げることの重要性をよく知っているので、チームワークもキーワードですね。

——採用面談の中で、どのようにどう見極めるんでしょうか。

話してみると、大抵わかるものです。例えば、今までのキャリアで転職回数が多い人は、「あれ? 困難にぶつかったときに逃げるタイプかな」という仮説が立てられますよね。その仮説が当たっているかは、話してみないとわからないんですが。それぞれ理由があるかもしれませんからね。

あとは、その人がどういう目標をもっているかを聞きます。人生をかけてどういうふうになりたいか、ビジネスパーソンとしてどのように生きたいか。それをなるべくお聞きします。

ご本人が目指すキャリアと、我々が提供できる環境が一致できるかということは、確認しますね。それが一致しないと、お互いに不幸になると思います。うちの会社は、桃源郷ではないんで(笑)。お互いにきちんとコミュニケーションをとって腹落ちしないと、入っていただいて活躍できないと思っています。

 

 

>>4話目「社員の能力を120%引き出すための人事・組織設計 」に続く

>マネーフォワードのホームページはこちら

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筆者 下平 将人

筆者 下平 将人

法律事務所、LINE株式会社の社内弁護士(リーガルカウンセル)、新規事業開発を経てDIに参画。DIでは、ベンチャー投資、投資先の経営支援に取り組み、投資先企業の社外取締役等を務める。東京弁護士会所属弁護士。Arts and Lawに所属しクリエーターの無料法律相談を担当。チャレンジングな事業領域に挑戦する起業家と汗をかき、共に理想を追い求め続ける存在でありたい。

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