起業家のミッションは「関わる人を幸せにする」こと アトラエ 新居佳英社長(第1話)

求人メディア『Green』やマッチングアプリ『yenta』など、オリジナリティあるサービスを次々と展開し、成長を遂げてきた株式会社アトラエ。社員の意志を最大限尊重する組織文化でも知られ、2016年6月に東証マザーズへ上場、2018年6月に東証一部への市場変更も果たした。同社代表取締役の新居佳英氏に、起業家の素養や、組織文化のつくり方などを聞いた。(全6話)

経営者として「関わる人たちを幸せにする」

――起業家にとって重要な素養を3つ挙げるとすると何でしょうか?

3つ挙げるとするならば、「志」「人間性」「ストレス耐性(メンタルタフネス、自信があること、楽観的なこと)」でしょうか。

まず1つ目の「志」が必要なのは言うまでもありません。

起業家は何かを実現したいという「志」があって、それを実現するために、正直に言いますと勝率の低い勝負をするわけです。お金儲けだけを考えれば、世の中にはもっと簡単な勝負の仕方があるでしょう。弊社もリーマンショックを経験していますが、あの時に「志」が無かったら、さっさとやめて就職していた方が良かったと思います。勝率を度外視してでも、人生を賭けて勝負を仕掛ける。その中で困難を乗り越えていくためには、「志」が原動力になるのは間違いありません。

 

株式会社アトラエ 代表取締役CEO 新居佳英/1974年生まれ。上智大学を卒業後、インテリジェンス(現パーソルキャリア)入社。3年目にして子会社社長を任されるなど、事業の立ち上げ・立て直しを経験したのち、2003年にアトラエを創業。2016年6月にはマザーズ上場、2018年6月には東証一部への市場変更も果たした。IT・Web業界に強い成果報酬の転職サイト「Green」等を運営。

 

2つ目は「人間性」です。起業家には「志」があって、そこに紐づいて集まった人達とその「志」を実現していくわけですが、この集まった人たちが「志」に向かいながらそれぞれが幸せになる道を作るのが経営者の役割です。

「関わる人たちを幸せにする」ためには、経営者の「人間性」が不可欠です。経営者が私利私欲に走れば、結果的に「関わる人たちの幸せ」がないがしろにされることでしょう。そのため「人間性」、人としての器、みたいなものは重要な素養だと思います。

3つ目の「ストレス耐性」ですが、「志」があっても、人ですから心が折れてしまうことがあります。

私の場合は元々ストレス耐性が高い方で、基本的にポジティブですし楽観的。これまで色々と苦労はしましたが、心が折れたことはありません。

もう少し噛み砕いていうと、長期的には「志」を成し遂げられるはずだという、根拠はないですがとにかく「自信」を持っています。基本的には大枠楽観的でいられますし、諦めなければ夢は叶うはずだと信じ続けることが出来ています。極論、勝つまで続けることができれば、負けることはありません。「バット100回振っても打てないけれど、次はなんだか打てる気がする」と考えられるようなポジティブな発想が、起業家には必要だと思います。

 

学生の頃から変わらず抱く「志」

――「ストレス耐性」は元々高かったとおっしゃいましたが、「志」は元々お持ちだったのでしょうか?

弊社のビジョン、すなわち「志」は「世界中の人々を魅了する会社を創る」です。これは学生の頃から、言葉尻は変われども、想いは変わっていません。

きっかけは、就職活動の時に、世の中の多くのサラリーマンが本当につまらなさそうに働いている姿を見たことでした。毎日満員電車に揺られて通勤して、新橋で酒を飲みながら愚痴を言って、土日に家に帰ったら奥さんに邪険にされて、子供はなついてくれない。こんな人生で幸せなのかな、いや僕はこういうサラリーマンにはなれないな、と思ったんです。そんなサラリーマンになるくらいだったら、友達とラーメン屋をやった方が楽しそうに思えました。でも、ビジネスに興味はあるから、ラーメン屋はやりたくないわけです。(笑)

では、この「ビジネスはやりたいけれど、サラリーマンにはなりたくない」という矛盾をどうするんだと考えたときに、自分で会社をつくるしかない、という考えにいきつきました。しかも、世の中と同じような会社をつくっても、世の中と同じサラリーマンを生み出してしまうだけなので意味がありません。友達とやっているラーメン屋やバンド・スポーツチームのように、関わる人がイキイキと楽しみ、幸せを感じながらビジネスをやれるチームを作ろうと。

これが学生の頃に抱き、いまも変わらぬ「志」です。

 

 

>第2話「困難を乗りこえ磨き続けた「起業家としての素養」」に続く

>アトラエ公式HPはこちら

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筆者 下平 将人

筆者 下平 将人

筆者 下平 将人

法律事務所、LINE株式会社の社内弁護士(リーガルカウンセル)、新規事業開発を経てDIに参画。DIでは、ベンチャー投資、投資先の経営支援に取り組み、投資先企業の社外取締役等を務める。東京弁護士会所属弁護士。Arts and Lawに所属しクリエーターの無料法律相談を担当。チャレンジングな事業領域に挑戦する起業家と汗をかき、共に理想を追い求め続ける存在でありたい。

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