急成長FinTechベンチャーにおける人材の採り方・活かし方 ペイミー 後藤道輝CEO(第3話)

「資金の偏りによる機会損失のない世界を創造する」をミッションに、給与即日払いサービス「Payme」を提供している株式会社ペイミー。2017年11月の正式リリース以来、約半年で導入企業100社を突破し、FinTech界でも注目を集めている。同社の代表取締役CEO後藤道輝氏が考える起業家としての素養や事業立ち上げのポイントについて、Venture Navi 編集長であり、同社の社外取締役も務めるドリームインキュベータ の下平将人が聞いた。(全5話)

「Give」の精神で信頼を積み上げる

下平:ここからは採用・仲間づくりについてお伺いしたいと思います。創業メンバーを口説く際のポイントがあればお聞かせください。

後藤:これは地道に、本気で誘い続けるしかないです。ただ周囲からは「後藤さんはしつこい」とよく言われます。(笑)

創業メンバーの森梨千子(最高技術責任者)なども、DeNAに入社する前から「将来起業するから一緒にやろう」と常に真顔で刷り込み続けていました。ここで重要なのは創業前から周到に準備をしておくこと。創業したいと思ってから仲間集めをするようでは遅いです。

 

下平:なるほど。とはいえ、そのタイミングではまだプロダクトも見えない中だと思います。

後藤:このタイミングでできることは人としての信頼を積み上げておくことしかありません。人のためにやっていたことが、回り回って自分を助けてくれるのです。

私は昔から「Pay forward」「Give」の意識を持っていました。DeNAで働いていた頃は恥ずかしながら1円も貯金できなかったのですが、その原因は挑戦する学生にお金を貸したり、自分が投資したかったけど実行できなかったベンチャー経営者にご飯を自腹で奢ったりしていたからです。

小さいことだと思いますが、そういった「Give」の行動が積み重なって信頼へつながっていくのだと思います。

 

人材見極めの特効薬は「一緒に働いてみること」

下平:採用する人材を見極める際に大切にしていることをお教えください。

後藤:最も大切にしているのは、正式内定前に必ず「模擬就業」をしていただくようにしていることです。一緒に働いてみることが、お互いの理解を高める際に最も効率的だからです。

 

下平:それはインターンなどをしてもらうということですか?

後藤:学生であればインターンでもいいですし、中途の方であれば土日に来ていただいたり、平日に現職をお休みしていただいて会社業務に入ってもらっています。

「地頭」「コミュニケーション力」「業務知識」といったスキル面、「人間性」といったカルチャーフィット面の双方をバランスよく見るためには、面談よりも「模擬就業」の方が見極められる確度が高いと思っています。さらに採用される側にとっても、特に中途の方の場合は自分が加わることで補完できる機能を理解していただいた方が、入社後の満足度が高まります。

採用方法としては時間とコストのかかる手法ですが、結果的に無駄のない仲間集めができると思っています。

 

「アベンジャーズ」のような一人一人が強い組織に

下平:組織運営についてもお聞かせください。フラットな組織、いわゆる「ティール型組織」を目指されているかと思います。

後藤:「Payme」は営業による売り切りの商材ではなく、契約後もカスタマーサクセスの工程が重要となるSaaS型の商材です。こういった特性の商材では、ピラミッド型の縦割り組織よりも、ティール型組織でチーム間がフラットに連携できる組織のほうがフィットすると考えています。

 

下平:まだまだノウハウの少ない組織形態なので、悩まれることも多いのではないでしょうか。

後藤:この組織運営において大前提になるのが「一人一人が強い人間であること」。だからこそ、性善説で組織運営ができます。

例えば、映画「アベンジャーズ」を見たことがある人はイメージしやすいかもしれませんが、そこで描かれている組織はメンバー一人一人が強く、役割分担をしながらフラットに連携して目的を達成していますよね。本来的にはあのような組織に憧れているんです。(笑)

 

下平:となると、メンバーに求められるものは必然的にハードルが高くなりますね。

後藤:少なくともチームリーダーになるメンバーは、「目上の人に苦言を言えること」、「陰口を言わないこと」を絶対条件にしています。特定のメンバーに情報や権限が偏ると、この組織形態の組織は壊れていくからです。

まだまだ成長途上の組織ではありますが、常に高い目標を掲げて、他者に誇れる強い組織に進化させていきたいです。

 

 

>第4話「「破壊者」ではなく、社会と「共存」するベンチャーのあり方」に続く

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筆者 下平 将人

筆者 下平 将人

筆者 下平 将人

法律事務所、LINE株式会社の社内弁護士(リーガルカウンセル)、新規事業開発を経てDIに参画。DIでは、ベンチャー投資、投資先の経営支援に取り組み、投資先企業の社外取締役等を務める。東京弁護士会所属弁護士。Arts and Lawに所属しクリエーターの無料法律相談を担当。チャレンジングな事業領域に挑戦する起業家と汗をかき、共に理想を追い求め続ける存在でありたい。

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