自然と口コミで広がる「愛されるプロダクト」の作り方 Progate 加藤將倫CEO(第3話)

「初心者から、創れる人を生み出す」を理念に、初心者向けのオンラインプログラミング学習サービスを展開する株式会社Progate。日本のみならずインド・米国にも展開を広げ、ユーザー数は60万人を突破した。同社CEOの加藤將倫氏に、起業家の素養や急成長サービスの作り方について聞いた。(全4話)

ゼロイチは「自分や友達が使いたいプロダクト」を作る

――Progateは創業事業でそのまま順調に拡大を続けています。ゼロイチで事業を立ち上げる際のポイントをお聞かせください。

とにかく自分や友達がユーザーだとして、何が使いたいかを突き詰めて良いプロダクトを作っていくことではないでしょうか。

私たちも初期の頃は今のようにスケールする発想はなくて、純粋に「少なくとも友達は使ってくれそう」な教材を作るところからスタートしています。

具体的には、最初の2ヶ月間はシェアハウスで泊まり込みのプログラミングスクールをやっていました。友達やその知り合いを集めて、プログラミング初心者が学習時につまづく部分を洗い出していったんです。

そこから見えてきたのは、本や動画など様々な教材は世の中にあるものの、「最初に環境を用意すること」がハードルになって初心者は勉強をスタートすることすら出来ないということ。

なのでProgateでは「プログラミング環境が用意できない」というニーズに対して、サイトに訪問さえすればプログラミングの楽しい部分にいきなり触れられる環境をあらかじめ用意しています。

また、学習を進めていくと「文章ばかり読んでいて疲れる」というポイントも浮かび上がってきたので、現在の「スライド」型の教材コンテンツが誕生しました。

 

――なるほど。一番根幹にあるニーズを突き止めて、そこに対するプロダクト開発に集中されたのですね。

そうですね。自分や自分の友達がユーザーだとして、彼らが一番使いたいプロダクトを、スピード感を持って開発していけば、自然とゼロイチは立ち上がると思います。

そこからどれだけ事業がスケールするかは市場の成長による部分が大きいかもしれません。私たちの場合はプログラミング教育市場自体が伸びているおかげで、これだけ多くのユーザーを獲得することができました。

そしてほとんどが口コミで、中学生からビジネスマンまで、幅広い年齢層のユーザーに使っていただけるサービスへと成長しました。

なのでゼロイチフェーズはとにかく自分のよく理解しているニーズに対して良いプロダクトを素早く作ること。人に紹介したくなるようなプロダクトを作ることで口コミを発生させること。これに集中することが大切だと思います。

 

プロダクトの「ファン」が競争力の源泉になる

―― 一方で御社のようなオンラインサービスだと、持続的な競合優位性を確立するのも難しいように思いますが、その点はいかがお考えでしょうか?

様々なプログラミング教材サービスが乱立していますが、教材コンテンツを作る上でのノウハウは、4年間先行してきたことによる優位性があると考えています。やはり良い教材を作るというのは非常に難しいことですので。

加えて、数多くのユーザーの成功体験を作り出してきたProgateだからこそ、自然とProgateを囲むコミュニティが出来ています。たとえばProgateで学んで分からない部分をユーザー同士で教えあったり、オフ会を自発的に開催してくれたりと、ファンの方同士の暖かい輪が広がっているんです。

このコミュニティは一朝一夕では作れないものですし、これまで国内で地道に積み重ねてきた信頼は、簡単にひっくり返すことはできないと感じています。

 

 

――Progateはいわゆる「フリーミアムモデル」ですが、有料化のタイミングをどうするかは難しいポイントです。その点で意識されたことをお聞かせください。

これは結果論になってしまいますが、私たちは良い投資家に巡り会えたことが大きかったです。

我々の場合はある投資家の方が創業初期に出資してくださった時に、「当面の資金をサポートする」と言ってくださり、急いで有料化する必要がありませんでした。その資金の安心感があったからこそ、ひたすらユーザーに向かって良いプロダクトを突き詰めることが出来ました。

 

――プロダクトが洗練され、ユーザーが増えるまで有料化は耐えることが大切ということでしょうか?

サービスの「ファン」だと自分から言ってくれる方が増えるまで耐えることが大切なのではないでしょうか。

今も昔もTwitterを活用してファンの方々とコミュニケーションを取っています。

Progateの有料化を決断した時は既にファンの方がたくさんいて、「むしろお金を払いたかった」と言ってくださる方もいたほどでした。おかげで今でもかなり高い課金率を維持することができています。

とにかく慌てずにプロダクトの価値を突き詰めること。これが結果的にマネタイズの際にも活きてくると思います。

 

 

>第4話「プログラミングで「創れる人」を世界中に生み出す」に続く

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著者 堀田 慶介

著者 堀田 慶介

著者 堀田 慶介

早稲田大学理工学部を卒業後、株式会社NTTドコモに入社。 NTTドコモでは、SI事業のプロジェクトマネジャーとして、金融・医療業界を中心にソリューション提案/開発業務に従事。その後、法人向けブロードバンドサービスの戦略策定業務を経てDIに出向。DIでは国内ベンチャーへの投資、事業支援に取り組む。

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