経営トップがライブで意志を伝承し続ける マイネット 上原 仁社長(第5話)

多数の組織をまとめあげるために重要なこと

――メンバーへのビジョン浸透、価値感共有といったコミュニケーションは定例化されているんでしょうか?

先にも少しふれましたけれど(第2話リンク)、週に一度、外苑前のオフィスでは金曜の朝10時に30分全メンバーが集まる会を開催していますね。私から話す時間は5〜7分くらいですが、みんなが同じ方向を向ける状態を作るということでトップのライブメッセージは大切かなと思っています。

その甲斐もあって、全メンバー、アルバイトのデザイナーでさえも共通バリューである「ユーザーさんの方向を向いて仕事をする」「利益が社会からの通信簿」「クロスリスペクト」を言えますからね。

例えば、「クロスリスペクト」。メンバー相互の価値観をリスペクトして、それをかけ合わせてユーザーバリューを生み出すことです。当社の場合は、今、毎月1チームくらいのペースでチームが増えています。チーム編成もどんどん変わっていきます。こういう状況の中では、時間による信頼関係でチームをビルドする猶予はないので、信頼関係ができるまで待つのではなくて、最初から「信頼する」「リスペクトする」「価値観は違うものである」を根底のバリューに置いているんです。

当社ではユーザーさんが一番上にあって、それに対応するユニットがあり、社長が一番下に来るという逆三角形組織、要は従業員全員経営者主義をとっています。偉くなって格が上がるというのは、下に降りること。つまり、前に出て活躍したい人間、若い人間にどんどん機会を譲っていくのがいいことだという風に思っています。地位が上がることは、上に上がっていくのではなくて、どんどん土台に近づいていくみたいな。「縁の下の力持ち」はカッコイイんだぞという価値観です。

1個1個の利益ユニットそれぞれが、それぞれの経営者たちによってしっかりと経営されている。多数に分解されている組織ゆえに、価値観の共有を創業トップがライブで伝承し続けていくことが重要だと思っています。

 

――それでも権力を持ちたがる人って結構多いですよね。上になって楽する人が出てきたり、下の人が活躍する場を作れなかったりといった場面がたくさんあるかと思うのですがいかがでしょうか?

そういうのはトップが誠実じゃないから出てくるのでしょうね。要はトップが偉そうにしたら、下も偉そうになります。

私たちの会社はいろんな会社から来たメンバーが集まっていて、最初は前の職場のなごりで権力争いがちになった人もいました。でもそんな人も今は真正面から、「縁の下の力持ち」のマインドで仕事してくれています。やはりトップが人生を賭けて、誠実であり続ければメンバーも応えてくれると思います。

 

社長が誠実であり続けること

――御社のメンバーの皆様の”自慢ポイント”をお教えください。

みんな”分かって”くれますね。私が絶対的な誠実さを欠かさないことを前提にして、それに呼応して誠実さで返してくれるのです。『影響力の武器』の中でいわれている、返報性ですね。マイネットは「誠実、努力、成長」という基本人事方針を持っていて、そのフィルターで見てOKという人だけに入社してもらっているので、誠実さがメンバーに共通した”自慢ポイント”です。

 

――誠実さに対して誠実さで返してもらえる。これは心地がいいですし、このことがマイネットの、ひいては上原さんの特徴ではないかと思います。さらに言えば、初期のメンバーと仲違いしてしまうという苦労も他社では聞きますが、ずっと支えてくれている人がいるのは上原さんの会社のすごい強みだと思います。そういう仲間の集め方のポイントはどのようなものでしょうか?

私が逃げない限り相手も逃げない。私が誠実でいる限り相手も誠実でいてくれる。返報性が強い。そういう人を仲間にしています。これは私が自分に誠実であることに完全にコミットしているからこそできるんだと思います。また、私自身がこの会社に全人生をコミットしているからこそ相手も逃げないのです。

初期のメンバーに関して、別のポイントを加えると、変化耐性と順応性の高さです。一番初めに掲げた「100年成長する企業」には変化ありきの姿勢が不可欠です。その構造をちゃんと納得してくれるメンバーを集めています。

自分よりも能力の高い人達が、起業家である私が最初に抱いた「意志」に腹落ちして一緒にいようと決めてくれている。意志を実現していく上での構造を共に作ってくれているのが彼らです。

 

 

>第6話「起業家である唯一の意味」に続く

>マイネット公式HPはこちら

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著者 岡 俊一郎

著者 岡 俊一郎

著者 岡 俊一郎

DI参画後、国内外の企業・団体に対する戦略策定プロジェクトに従事。「世界の発展に貢献したい」という思いを抱えながら、国内・外のベンチャー企業に対する支援を行っている。 アーティストとスタートアップを巡る資本の動きの類似性・差異について考察するのが目下の趣味。

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